問題
排水通気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 排水管への掃除口の設置間隔は、管径100mm以下の場合は、15m以内とする。 |
2. | 排水トラップの脚断面積比(流出脚断面積/流入脚断面積)が大きくなると、封水強度は大きくなる。 |
3. | 飲料用水槽において、管径75mmの間接排水管に設ける排水口空間は、最小150mmとする。 |
4. | ドーム状のルーフドレンのストレーナ部分の開口面積は、それに接続する排水管の管断面積の2倍程度が必要である。 |
5. | 管径125mmの排水横管の最小勾配は、1/200である。 |
回答と解説動画
正解は(5)
1.排水管への掃除口の設置間隔は、管径100mm以下の場合は、15m以内とする。
→正しい
排水管の掃除口は、管径100mm以下の場合、設置間隔を15m以内とすることが推奨されています。
排水管の管径 | 設置間隔 |
---|---|
100mm以下 | 15m以内 |
100mm超え | 30m以内 |
2.排水トラップの脚断面積比(流出脚断面積/流入脚断面積)が大きくなると、封水強度は大きくなる。
→正しい
排水トラップには、流入脚(排水が入ってくる管)と流出脚(排水が出ていく管)があります。
脚断面積比(きゃくだんめんせきひ)というのは、「流出脚の断面積 ÷ 流入脚の断面積」の比率です。
この比率が大きい、つまり流出脚の断面積が流入脚よりも広いと、排水が流れやすくなります。排水がスムーズに流れると、トラップ内の水(封水)が流れで一緒に引き抜かれにくくなります。
つまり、流出脚が太いと封水が残りやすくて、封水強度が高まるということです。
3.飲料用水槽において、管径75mmの間接排水管に設ける排水口空間は、最小150mmとする。
→正しい
飲料用貯水槽の場合、排水口空間は口径に関係なく150mm以上とすることが基準です。
間接排水管の管径(mm) | 排水口空間(mm) |
---|---|
25以下 | 最小50 |
30~50 | 最小100 |
65以上 | 最小150 |
飲料用貯水槽など | 最小150mm |
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4.ドーム状のルーフドレンのストレーナ部分の開口面積は、それに接続する排水管の管断面積の2倍程度が必要である。
→正しい
ストレーナの目詰まりや通水不良を防ぐため、開口面積は接続管の断面積の2倍程度が必要とされています。
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出典:㈱長谷川鋳工所
5.管径125mmの排水横管の最小勾配は、1/200である。
→不適当
「排水横管の管径と最小勾配」とは、排水をスムーズに流すために必要な管の太さ(直径)と、傾ける角度(勾配)に関する基準です。例えば「1/100の勾配」とは、1メートル進むごとに1cmの高さの差をつけるという意味です。
管径125mmの排水横管の最小勾配は、1/150とされています。
なお、排水横管が水平すぎると、水が流れずに溜まってしまい、詰まりや悪臭の原因になります。また、逆に勾配をつけすぎると、水だけ先に流れて汚物が残ってしまうことも。そこで、管の太さ(管径)ごとに適切な「最小勾配」が決まっているのです。
その他の管径に対する最小勾配は以下の通りです。(全て暗記)
管径 | 最小勾配 |
---|---|
65[mm]以下 | 1/50 |
75,100[mm] | 1/100 |
125[mm] | 1/150 |
150、200、250、300[mm] | 1/200 |
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