ビル管理士 2023年(R5年) 問128  過去問の解説【給水および排水の管理】

内容に誤りがあった場合は、お手数ですがコメント欄で教えて頂けると助かります。

問題

排水通気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.排水管への掃除口の設置間隔は、管径100mm以下の場合は、15m以内とする。
2.排水トラップの脚断面積比(流出脚断面積/流入脚断面積)が大きくなると、封水強度は大きくなる。
3.飲料用水槽において、管径75mmの間接排水管に設ける排水口空間は、最小150mmとする。
4.ドーム状のルーフドレンのストレーナ部分の開口面積は、それに接続する排水管の管断面積の2倍程度が必要である。
5.管径125mmの排水横管の最小勾配は、1/200である。

回答と解説動画

正解は(5)

1.排水管への掃除口の設置間隔は、管径100mm以下の場合は、15m以内とする。
→正しい
排水管の掃除口は、管径100mm以下の場合、設置間隔を15m以内とすることが推奨されています。

排水管の管径設置間隔
100mm以下15m以内
100mm超え30m以内

2.排水トラップの脚断面積比(流出脚断面積/流入脚断面積)が大きくなると、封水強度は大きくなる。
→正しい
排水トラップには、流入脚(排水が入ってくる管)と流出脚(排水が出ていく管)があります。
脚断面積比(きゃくだんめんせきひ)というのは、「流出脚の断面積 ÷ 流入脚の断面積」の比率です。
この比率が大きい、つまり流出脚の断面積が流入脚よりも広いと、排水が流れやすくなります。排水がスムーズに流れると、トラップ内の水(封水)が流れで一緒に引き抜かれにくくなります。
つまり、流出脚が太いと封水が残りやすくて、封水強度が高まるということです。

3.飲料用水槽において、管径75mmの間接排水管に設ける排水口空間は、最小150mmとする。
→正しい
飲料用貯水槽の場合、排水口空間は口径に関係なく150mm以上とすることが基準です。

間接排水管の管径(mm)排水口空間(mm)
25以下最小50
30~50最小100
65以上最小150
飲料用貯水槽など最小150mm

排水口空間とは、器具の排水管の出口と、排水を受ける場所の間の高さのことです。この空間があることで、排水が逆流したり汚水が戻ったりするのを防ぎます。つまり、排水した水が逆流しないように安全な距離を保っています。
以下の画像で説明すると、右にあるオーバーフロー管の先端に設けらていている空間が排水口空間です。

出典:一般財団法人埼玉水道サービス公社

4.ドーム状のルーフドレンのストレーナ部分の開口面積は、それに接続する排水管の管断面積の2倍程度が必要である。
→正しい
ストレーナの目詰まりや通水不良を防ぐため、開口面積は接続管の断面積の2倍程度が必要とされています。

ルーフドレンとは、屋上やバルコニーなどに降った雨水を集めて排水するための装置です。屋上の床面、つまり防水層の低い位置に取り付けられていて、ここから雨水を建物内の排水管に流す構造になっています。もしルーフドレンが落ち葉などが原因で詰まったりすると、屋上がプールのようになってしまうので、定期的に清掃や点検をする必要があります。

ドーム型ルーフドレン
出典:㈱長谷川鋳工所

5.管径125mmの排水横管の最小勾配は、1/200である。
→不適当
「排水横管の管径と最小勾配」とは、排水をスムーズに流すために必要な管の太さ(直径)と、傾ける角度(勾配)に関する基準です。例えば「1/100の勾配」とは、1メートル進むごとに1cmの高さの差をつけるという意味です。
管径125mmの排水横管の最小勾配は、1/150とされています。

なお、排水横管が水平すぎると、水が流れずに溜まってしまい、詰まりや悪臭の原因になります。また、逆に勾配をつけすぎると、水だけ先に流れて汚物が残ってしまうことも。そこで、管の太さ(管径)ごとに適切な「最小勾配」が決まっているのです。

その他の管径に対する最小勾配は以下の通りです。(全て暗記)

管径最小勾配
65[mm]以下1/50
75,100[mm]1/100
125[mm]1/150
150、200、250、300[mm]1/200

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