ビル管理士 2022年(R4年) 問27  過去問の解説【建築物の環境衛生】

内容に誤りがあった場合は、お手数ですがコメント欄で教えて頂けると助かります。

問題

建築物内の湿度に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.低湿度ではほこりが飛散しやすくなる。
2.低湿度ではインフルエンザウイルスの生存率が高まる。
3.加湿器を清潔に保つことは室内環境衛生のために重要である。
4.高湿度では体感温度が上昇する。
5.高湿度では壁の塗装の剥離が起きやすくなる。

回答と解説動画

正解は(5)

1.低湿度ではほこりが飛散しやすくなる。
→正しいです。
湿度が低いと空気中の水分が少なく、静電気が発生しやすくなります。このため、床や家具に付着していたほこりが舞い上がりやすくなり、室内の空気中に浮遊するほこりの量が増えます。特に冬場の乾燥した時期は、掃除をしてもすぐにほこりが目立つ原因となります。
また、ほこりにはダニの死骸やカビの胞子、花粉なども含まれるため、アレルギーや呼吸器疾患のリスクも高まります。

2.低湿度ではインフルエンザウイルスの生存率が高まる。
→正しいです。
インフルエンザウイルスは、湿度が40%未満の乾燥した環境で長く生存しやすいことがわかっています。逆に、湿度が50~60%程度に保たれていると、ウイルスの生存率は下がります。そのため、冬季の乾燥した室内ではインフルエンザや風邪が流行しやすく、適度な加湿が感染予防に有効とされています。

3.加湿器を清潔に保つことは室内環境衛生のために重要である。
→正しいです。
加湿器の内部に水を長期間ためたままにすると、カビやレジオネラ属菌などの細菌が繁殖しやすくなります。この菌が加湿器のミストと一緒に室内に放出されると、健康被害(レジオネラ症や過敏性肺炎など)を引き起こすことがあります。

4.高湿度では体感温度が上昇する。
→正しいです。
湿度が高いと、汗が蒸発しにくくなり、体の熱が外に逃げにくくなります。
その結果、実際の気温よりも「暑い」と感じやすくなります。これが「体感温度」の上昇です。たとえば、気温が25℃でも湿度が80%だと蒸し暑く感じ、熱中症リスクも高まります。逆に、同じ気温でも湿度が低ければ涼しく感じます。ビル管理士試験では「体感温度と湿度の関係」もよく問われます。

5.高湿度では壁の塗装の剥離が起きやすくなる。
→不適当です。
壁の塗装の剥離(はくり)は、一般的に低湿度のときに発生しやすいです。

解説動画

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