ビル管理士 2020年(R2年) 問53  過去問の解説【空気環境の調整】

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問題

冬期における室内低湿度の原因に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.暖房期であっても、パソコンやサーバ等の利用で室内温度が上昇した結果、自動制御により冷房運転を行うことがあり、加湿が困難となる。
2.加湿装置の能力不足による。
3.スプレー式加湿器の場合、そのノズルの詰まりによる。
4.加湿器の位置が空調機加熱コイルの後に設置されている。
5.設計時に想定した室内温度よりも高い室内温度で運用している。

回答と解説動画

正解は(4)

1.暖房期であっても、パソコンやサーバ等の利用で室内温度が上昇した結果、自動制御により冷房運転を行うことがあり、加湿が困難となる。
→ 正しい
オフィスビルなどで内部発熱(パソコンやサーバ等)が大きい場合、冬でも冷房運転に切り替わることがあり、冷房時は加湿が難しくなりがちです。これが室内低湿度の原因となります。

2.加湿装置の能力不足による。
→ 正しい
加湿装置の能力が不足していると、必要な加湿量を供給できず、室内が乾燥しやすくなります。(当たり前ですよね)

3.スプレー式加湿器の場合、そのノズルの詰まりによる。
→ 正しい
スプレー式加湿器のノズルが詰まると、加湿量が減少し、室内湿度が低下する原因になります。
以下はウェットマスター社のスプレー式加湿器です。機器から伸びているホースにノズルがついており、このノズルが詰まると加湿能力が落ちます。(当たり前ですよね)

出典:ウェットマスター

4.加湿器の位置が空調機加熱コイルの後に設置されている。
→ 不適当
加湿器は「加熱コイルの後」に設置するのが正しい配置です。加熱コイルで空気を暖めた後に加湿することで、水分がしっかり気化し、室内に十分な湿度を供給できます。逆に「加湿器が加熱コイルの前」だと、加熱コイルで水分が飛ばされてしまい、加湿効果が低下します。
以下の画像は空調機とダクト・配管を簡略した図です。
「エアフィルタ」→「冷却コイル」→「加熱コイル」→「加湿器」の順で並んでいる点は重要なので覚えておきましょう。

出典:モノタロウ

5.設計時に想定した室内温度よりも高い室内温度で運用している。
→ 正しい
室温が高いほど、同じ絶対湿度でも相対湿度は低下します。設計より高い温度で運用すると、相対湿度が下がりやすくなります。

解説動画

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