問題
空気の流動に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 吸込気流では、吹出気流と同様に、吸込みの影響が遠方まで及ぶ。 |
2. | 自由噴流の中心軸速度が一定速度まで低下する距離を、到達距離と呼ぶ。 |
3. | 自由噴流は、吹出口付近では中心軸速度がそのまま維持される。 |
4. | 自由噴流では、吹出口から離れた中心軸速度が、距離に反比例して減衰する領域がある。 |
5. | 吸込気流には、吹出気流のような強い指向性はない。 |
回答と解説動画
正解は(1)
1.吸込気流では、吹出気流と同様に、吸込みの影響が遠方まで及ぶ。
→ 不適当(正解)
吸込気流は、吸込口から離れるほど急激に速度が低下し、その影響範囲は吸込口付近に限られます。
これは、吸込気流の速度が距離の2乗に反比例して減衰するためです。
また、吹出気流(自由噴流)は直進性があり、遠方まで影響が及びますが、吸込気流は遠くまで影響を与えることはありません。
2.自由噴流の中心軸速度が一定速度まで低下する距離を、到達距離と呼ぶ。
→ 正しい
自由噴流の到達距離とは、吹出口から放出された空気の中心軸速度が、例えば0.2m/sなどの基準値まで低下するまでの距離を指します。
3.自由噴流は、吹出口付近では中心軸速度がそのまま維持される。
→ 正しい
吹出口から出た直後の空気の流れは、しばらくの間、中心部分の速度がほとんど変わらずに保たれます。
この吹出口近くの範囲では、周囲の空気との混ざり(拡散)があまり進んでいないため、吹き出された空気の勢いがそのまま維持されるためです。距離が離れるにつれて、周囲の空気と混ざり合い、中心の速度も徐々に低下していきます。
4.自由噴流では、吹出口から離れた中心軸速度が、距離に反比例して減衰する領域がある。
→ 正しい
吹出口からある程度離れた領域では、噴流の中心部の速度が吹出口からの距離に反比例して低下していきます。これは、吹き出された空気が周囲の空気と混ざり合いながら広がるためです。
5.吸込気流には、吹出気流のような強い指向性はない。
→ 正しい
吸込気流は、吸込口に向かって全方向から空気が集まるため、特定の方向に強く流れることはありません。吹出気流は噴流として直進性・指向性が強いのが特徴です。
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