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給油取扱所の技術基準【危険物乙4テキスト】

2024年11月18日

固定されている給油設備で、自動車などの燃料タンクに直接給油するために危険物を取り扱う施設を給油取扱所といいます。

ここでは給油取扱所に求められる構造や設備の基準について解説します。

ヘタ・レイ
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給油取扱所とはガソリンスタンドのことですね!

給油取扱所の技術基準

給油取扱所の技術基準は以下の通りです。

  • 保安距離:不要
  • 保有空地:不要
  • 給油取扱所の給油設備は、ポンプ機器及びホース機器からなる固定された給油設備とする。
  • 見やすい箇所に、給油取扱所である旨を表示した標識及び防火に関し必要な事項を掲示した掲示板を設ける。
  • 見やすい箇所に、背景をオレンジ色、文字を黒色で「給油中エンジン停止」と書かれた掲示板を設ける。掲示板の寸法は横0.6m以上、縦0.3m以上とする。
  • 施設の周囲には、耐火構造か不燃材料で作られた高さ2m以上の塀や壁を設ける。(自動車等が出入りする道路側は除く)
  • 給油取扱所に設置する建築物は、壁・柱・床・はり・屋根を耐火構造不燃材料で作る。
  • 給油取扱所に設置する建築物は、窓や出入り口防火設備を設ける。
  • 専用タンクの容量は無制限。(ガソリンなどを貯蔵するタンクのことです)
  • 廃油タンクの容量は、10,000L以下。(廃油タンクとは、古いエンジンオイル・ブレーキオイルなどを捨てることができるタンクのことです)
  • ポンプ室を設ける場合、床面を液体が浸透しない構造する。また、危険物が漏れた場合は、1か所に集まるように床に傾斜をつけて、液体を貯留するための「ためます」を設ける(貯留設備)。
  • 固定給油設備及び固定注油設備は、漏れるおそれがない構造にするとともに、先端に弁を設けた全長5m以下の給油ホース又は注油ホース及びこれらの先端に蓄積される静電気を有効に除去する装置を設ける。

下図のような掲示板を設けます。

給油空地

給油空地とは、①自動車等が給油設備で給油をするため②給油するスペースに出入りするために設けられた空地のことです。

固定給油設備の周囲に設けられ、間口が10m以上奥行きが6m以上必要です。

なお、給油空地の床面には、漏れた危険物が浸透しないための舗装をしなくてはいけません。

また、漏れた危険物及び可燃性の蒸気が滞留せず、かつ、当該危険物その他の液体が当該空地以外の部分に流出しないような措置(排水溝の設置など)を講ずる必要があります。

注油空地

注油空地とは、固定注油設備の周囲に設ける空地のことです。

※固定注油設備とは灯油や軽油等を容器に詰め替える、または車両に固定された容量4,000ℓ以下のタンクに危険物を注入するための設備のことです。

注油空地は先ほどの給油空地との兼用は認めらていないため、別途スペースを用意しなくてはいけません。

なお、給油空地と同様に注油空地の床面にも、漏れた危険物が浸透しないための舗装をしなくてはいけません。

また、漏れた危険物及び可燃性の蒸気が滞留せず、かつ、当該危険物その他の液体が当該空地以外の部分に流出しないような措置(排水溝の設置など)を講ずる必要があります。

ヘタ・レイ
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固定注油設備を見たことが無い人はガソリンスタンドに行ってみましょう!
端っこの方に灯油を買うための設備を発見できるはずです。

給油などで利用する際の基準

給油取扱所では、給油時のルールが細かく設けられています。

試験で狙われそうなものをピックアップしてみました。

  • 自動車等への給油は、固定給油設備の専用ホースを利用して直接給油する。
  • 給油する際は、自動車等のエンジンは止める。
  • 自動車等が給油空地からはみ出たままの給油は禁止。

移動タンク貯蔵所からの注油(危険物の補充)について

給油取扱所には、地下等に危険物(ガソリンなど)を貯蔵するためのタンクが設置されており、定期的に移動タンク貯蔵所(タンクローリー)から危険物を補充(注入)してもらう必要があります。

このとき、タンクの注油口から3m未満および、タンク用の通気管の先端から1.5m車両進入禁止です。

なお、引火点が40℃未満の危険物を注油するときは、移動タンク貯蔵所(タンクローリー)のエンジンは停止しなくてはいけません。

給油取扱所に設置できる建築物

施設内にコンビニなどが併設されているガソリンスタンドを見たことがりませんか?

給油取扱所では、給油またはこれに付帯する業務のために必要な建築物を設置することができます。

給油取扱所に設置できる建築物(一例)

  • 業務用の事務所
  • 給油等又は自動車等の点検・整備等のためにガソリンスタンドに出入する者を対象とした店舗飲食店・展示場
  • 自動車等の点検・整備や洗浄を行う作業場
  • 施設所有者等が居住する住居
ヘタ・レイ
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給油またはこれに付帯する業務のために必要な建築物以外は設置できません。
※設置不可の例:遊技場、診療所、宿泊施設など

セルフ型給油取扱所

客が自ら給油をするタイプのガソリンスタンドを見たことがありませんか?

このような給油取扱所のことをセルフ型給油取扱所といいますが、このタイプの給油取扱所は見やすい箇所にセルフ型給油取扱所である旨を表示しなくてはいけません。

セルフ型の給油設備の構造は以下のとおりです。

セルフ型固定給油設備に必要な条件

  • 燃料の種類を間違えて給油することを防止する構造にする。(ガソリン・軽油)
  • 1回の給油で可能な給油量および給油時間を設定できる構造にする。
  • 給油時に地震が発生した場合、自動的に給油を停止する構造にする。
  • 給油ホースのノズルは、燃料タンクが満タンになった際に自動的に給油を停止する構造にする。
  • 給油ホースが事故などにより強い力で引っ張られた場合、ホースが給油設備本体から安全に分離するように造り、分離した部分から危険物が漏洩しない構造にする。
  • 客から見て燃料の種類がわかりやすいように、危険物の品目を表示するとともに、対応したカラーで彩色する。
  • 顧客が自ら行う給油作業や容器への詰め替え作業を監視・制御するための制御卓を設ける。
  • 必要に応じて顧客へ指示を行う。
ヘタ・レイ
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燃料のカラーは以下の通りです。

危険物の品目表示する色
ハイオクガソリン黄色
レギュラーガソリン赤色
軽油緑色
灯油青色

プロフィール
ヘタ・レイ

ビルメンYouTuberのヘタ・レイ。
保有資格:電験三種、ビル管理士、行政書士、宅建士、電工一種、危険物乙4、消防設備士、2級ボイラー技士、2種冷凍機械、日商簿記2級、FP2級など。
これまでの経験と保有資格を活かしてオリジナル問題を作成しています。
ビルメン情報ブログもよろしくお願いします。