ビル管理士 2020年(R2年) 問52  過去問の解説【空気環境の調整】

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問題

換気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.置換換気は、室温よりやや低温の空気を床面付近に供給し、天井面付近で排気する方式である。
2.気流性状から見た換気方式は、混合方式と一方向方式の二つに大別される。
3.換気回数[回/h]とは、1時間当たりに室内に取り入れる新鮮空気(外気)量を、室容積で除したもののことである。
4.燃焼器具の必要換気量は、開放型燃焼器具の場合、理論廃ガス量の40倍と規定されている。
5.第2種機械換気は、他に汚染空気を出してはならない汚染室に用いられる。
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回答と解説動画

正解は(5)

1.置換換気は、室温よりやや低温の空気を床面付近に供給し、天井面付近で排気する方式である。
→ 正しい。
置換換気は、冷気を床付近に供給し、熱源(人体や機器)で温められた空気が自然上昇して天井から排気されます。効率的な換気方式で、省エネ効果があります。

2.気流性状から見た換気方式は、混合方式と一方向方式の二つに大別される。
→ 正しい。

  • 混合方式:空気を撹拌して均一な温度分布を実現(一般的な空調)。
  • 一方向方式:層流を維持し、汚染物質を特定方向に排出(クリーンルームなど)。

3.換気回数[回/h]とは、1時間当たりに室内に取り入れる新鮮空気(外気)量を、室容積で除したもののことである。
→ 正しい。
換気回数=換気量(m³/h)÷室容積(m³)で計算されます。

4.燃焼器具の必要換気量は、開放型燃焼器具の場合、理論廃ガス量の40倍と規定されている。
→ 正しい。
開放型燃焼器具(ガスコンロなど)では、理論廃ガス量の40倍の換気量が必要です。

5.第2種機械換気は、他に汚染空気を出してはならない汚染室に用いられる。
→ 不適当。
第2種機械換気は、室内を正圧に保つ方式で、清潔な空間(手術室・クリーンルーム)に用いられます。
汚染室(排気が必要な場所)には、第3種換気(排気が機械で給気は換気口のみ)が適しています。

機械換気の補足

1.第1種換気方式:給気(外気を取り込む)と排気(室内の空気を排出)の両方を機械で行う方式です。

  • メリット:給排気とも機械で制御するため、換気量・換気経路が安定し、計画通りの換気が可能です。気密性に左右されにくく、全熱交換型などでは温度・湿度のロスも抑えられます。
  • デメリット:給気・排気の両方に機械が必要なため、導入コスト・運用コストが高くなる点です。

2.第2種換気方式:給気のみを機械で行い、排気は自然に任せる方式です。

  • メリット:室内が正圧になり、外部からの汚染物質や粉じんの侵入を防ぎやすいため、クリーンルームや病院などで使われます。
  • デメリット:住宅では使われることが少なく、気密性が低いと内部結露などの問題が起こりやすいです。

3.第3種換気方式:給気は自然に、排気のみを機械で行う方式です。

  • メリット:設置費用・運用コストが安く、メンテナンスも容易なため、一般住宅やトイレ・キッチンなどで広く採用されています。
  • デメリット:給気を自然に頼るため、気密性が低い建物では計画通りの換気ができない場合があります。

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