ビル管過去問暗記note「建築物の構造概論」を執筆しました

ビル管理士 2025年(R7年) 問77 過去問の解説【空気環境の調整】

内容に誤りがあった場合は、お手数ですがコメント欄で教えて頂けると助かります。

問題

揮発性有機化合物(VOCs)に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.VOCsの測定には、基本的にガスクロマトグラフ質量分析計を用いる。
2.加熱脱着法は、溶媒抽出法と比較して、測定感度は落ちる。
3.TVOCの定義は、ヘキサンからヘキサデカンの範囲のVOCsの合計である。
4.TVOCの測定には、パッシブ法を適用するのは困難である。
5.市販のTVOCモニタは、定期的な標準ガスによる校正が欠かせない。

回答

正解は(2)

1. VOCsの測定には、基本的にガスクロマトグラフ質量分析計を用いる。
→正しい
VOCsはいろいろな物質が混ざっているので、それらをバラバラに分けて(ガスクロマトグラフ)、正体を突き止める(質量分析)装置が必要になります。

出典:島津製作所

2. 加熱脱着法は、溶媒抽出法と比較して、測定感度は落ちる。
→不適当
加熱脱着法は、吸着剤に集めたVOCsを「熱」で一気に追い出して分析器にかけます。溶媒(液体)で薄めて抽出する方法に比べて、サンプルを薄めずに全量分析できるため、測定感度は高くなります。

3. TVOCの定義は、ヘキサンからヘキサデカンの範囲のVOCsの合計である。
→正しい
TVOC(総揮発性有機化合物)は、ヘキサンからヘキサデカンまでの範囲で検出されたVOCsの合計です。

トータルVOC(TVOC)とは、室内空気中に存在する揮発性有機化合物の総量を示す指標です。シックハウス対策や室内環境の評価において、重要な役割を果たしています。TVOCの測定は、建材や家具などから放出される揮発性有機化合物の総量を把握し、健康への影響を評価する上で役立ちます。

4. TVOCの測定には、パッシブ法を適用するのは困難である。
→正しい
パッシブ法(置いておくだけの採取)は、特定の物質を測るのには向いていますが、多種多様な成分を一度に正確に捉える必要があるTVOCの測定には不向きで、通常はポンプで吸い込む「アクティブ法」が使われます。

5. 市販のTVOCモニタは、定期的な標準ガスによる校正が欠かせない。
→正しい
市販の簡易的なTVOCモニタはセンサーが劣化したり数値がズレたりしやすいため、「標準ガス」を使って、正しく数値が出るように直してあげる(校正)作業が必須です。

類題:令和3年問82

揮発性有機化合物(VOCs)測定法まとめ

採取方法

分析方法

特徴・備考

アクティブサンプリング法

加熱脱着-GC/MS法

  • 感度が高く、現在の主流。
  • VOCsを捕集した吸着剤を加熱脱着装置によりGC/MSへ導入する。

溶媒抽出-GC/MS法

  • 加熱脱着法に比べて感度がやや低いが、簡便でコストが低い。
  • VOCsを捕集した吸着剤を二硫化炭素で抽出した後、GC/MSへ導入する。

パッシブサンプリング法

加熱脱着-GC/MS法など

  • ポンプ不要で手軽。長時間平均濃度向きだが、感度に限界あり。
  • TVOCの測定には向かない。
  • アクティブサンプリング法:ポンプを使用して空気を吸引し、吸着剤にVOCsを捕集する方法です。加熱脱着-GC/MS法は高感度で信頼性が高く、現在の主流となっています。
  • パッシブサンプリング法:自然拡散によりVOCsを吸着剤に捕集する方法で、ポンプが不要で手軽ですが、感度に限界があり、特にTVOCの測定には適していません。
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