問題
冷却塔と冷却水の維持管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 冷却水の強制ブローは、冷却水の濃縮防止に有効である。 |
2. | 冷却水への薬剤処理は、適正濃度を維持するために、冷却塔への補給水量に比例した量の薬剤注入により行う。 |
3. | 冷却塔及び冷却水は、使用開始時及び使用開始後、1か月以内ごとに1回、定期にその汚れの状況を点検する。 |
4. | 角形(クロスフロー)冷却塔は、丸形(カウンターフロー)冷却塔と比較して空中に冷却水が飛散しやすいため、管理をより厳重にする必要がある。 |
5. | 冷却水系統のレジオネラ属菌の増殖抑制のため、化学的洗浄と殺菌剤添加を併用する。 |
回答と解説動画
正解は(4)
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1. 冷却水の強制ブローは、冷却水の濃縮防止に有効である。
→正しい
強制ブロー(ブローダウン)は、冷却水の一部を排出し新しい水と入れ替えることで、ミネラルや汚れの濃縮を防ぐ有効な方法です。
2. 冷却水への薬剤処理は、適正濃度を維持するために、冷却塔への補給水量に比例した量の薬剤注入により行う。
→正しい
薬剤(殺菌剤・スケール防止剤など)は、補給水量に応じて自動的に注入することで、常に適正濃度を維持できます。
3. 冷却塔及び冷却水は、使用開始時及び使用開始後、1か月以内ごとに1回、定期にその汚れの状況を点検する。
→正しい
建築物環境衛生管理基準では、「使用開始時および使用期間中、1か月以内ごとに1回以上」の点検が定められています。
4. 角形(クロスフロー)冷却塔は、丸形(カウンターフロー)冷却塔と比較して空中に冷却水が飛散しやすいため、管理をより厳重にする必要がある。
→不適当
一般に、クロスフロー(角形)冷却塔はカウンターフロー(丸形)冷却塔よりも水の飛散量が少ないとされています。したがって、「飛散しやすい」という記述は誤りです。
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5. 冷却水系統のレジオネラ属菌の増殖抑制のため、化学的洗浄と殺菌剤添加を併用する。
→正しい
バイオフィルムや汚れの除去には、物理的・化学的洗浄と殺菌剤の併用が効果的です。
空気調和設備に関する衛生上必要な措置
項目 | 措置内容 | 頻度 |
---|---|---|
冷却塔及び加湿装置に供給する水 | 水道法第4条に規定する水質基準に適合させるための措置 | - |
冷却塔、冷却水 | 汚れの状況の点検 ※必要に応じて清掃及び換水等を行う。 | 使用開始時及び使用期間中1ヶ月以内ごとに1回、 (1ヶ月を超える期間使用しない場合を除く) |
冷却塔、冷却水の水管の清掃 | 1年以内ごとに1回 | |
加湿装置 | 汚れの状況の点検 ※必要に応じて清掃及び換水等を行う。 | 使用開始時及び使用期間中1ヶ月以内ごとに1回 (1ヶ月を超える期間使用しない場合を除く) |
清掃 | 1年以内ごとに1回 | |
空気調和設備内に設けられた排水受け | 汚れ及び閉塞の状況の点検 ※必要に応じて清掃及び換水等を行う。 | 使用開始時及び使用期間中1ヶ月以内ごとに1回 (1ヶ月を超える期間使用しない場合を除く) |
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