問題
空気調和・換気設備に関する維持管理上の問題と考えられる原因との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
維持管理上の問題 | 原因 | |
1. | 全熱交換器からの外気量不足 | 熱交換エレメントの目詰まり |
2. | 冷却塔でのレジオネラ属菌増殖 | 冷却水の過剰な濃縮 |
3. | 室内空気質の低下 | ダクト内部の汚れ |
4. | 冬期暖房時の室内相対湿度の低下 | 取入外気量過少 |
5. | 夏期冷房時の室内温度の上昇 | ダンパ開度不足による送風量過少 |
回答と解説動画
正解は(4)
1. 全熱交換器からの外気量不足 ― 熱交換エレメントの目詰まり
→正しい
全熱交換器のエレメントが目詰まりすると、外気の取り入れ量が不足します。定期的な清掃・点検が必要です。
以下の図は、全熱交換器の仕組みです。外気は中央の熱交換エレメントを通過して室内に供給されるため、これが目詰まりしていると外気量が不足するのは当然の結果といえます。
2-5.jpg)
2. 冷却塔でのレジオネラ属菌増殖 ― 冷却水の過剰な濃縮
→正しい
冷却水が過剰に濃縮されると、バイオフィルムや有機物が増え、レジオネラ属菌が増殖しやすい環境になります。水の入れ替え不足や消毒不足と並んで、濃縮もリスク要因です。
3. 室内空気質の低下 ― ダクト内部の汚れ
→正しい
ダクト内にホコリやカビがたまると、室内に汚染物質が拡散し、空気質が悪化します。定期的なダクト清掃が重要です。
4. 冬期暖房時の室内相対湿度の低下 ― 取入外気量過少
→不適当
冬期の相対湿度低下は、外気の取り入れすぎ(外気量過多)が主な原因です。冬の外気は乾燥しているため、外気を多く取り入れるほど室内の湿度は下がります。外気量が少なければ、湿度低下は起こりにくくなります。
5. 夏期冷房時の室内温度の上昇 ― ダンパ開度不足による送風量過少
→正しい
ダンパが十分開いていないと送風量が減り、冷房効果が低下して室温が上昇します。
ダンパーとは、空調や換気のダクトに設置され、空気の量を調節したり、風の流れを制御したりする以下のような装置です。このダンパーの場合、中央の板の角度が変わることで風量の調節ができます。

解説動画
解説動画はまだありません
コメント