ビル管理士 2024年(R6年) 問71  過去問の解説【空気環境の調整】

内容に誤りがあった場合は、お手数ですがコメント欄で教えて頂けると助かります。

問題

ダクトとその付属品に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。

1.長方形ダクト同士の接続には、差込み継手が一般に用いられる。
2.厨房フードには、ステンレス鋼板が利用される。
3.厨房排気ダクト用防火ダンパの温度ヒューズ溶解温度は、280℃である。
4.丸ダクトは、スパイラルダクトに比べて、はぜにより高い強度が得られる。
5.防火ダンパは、煙感知器と連動してダクトを閉鎖する。
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回答と解説動画

正解は(2)

1. 長方形ダクト同士の接続には、差込み継手が一般に用いられる。
→不適当
長方形(矩形)ダクト同士の接続には、アングルフランジ工法や共板フランジ工法などのフランジ接合が一般的です。差込み継手は主に丸ダクトや小型のスパイラルダクトで使われます。

長方形ダクトの接続:アングルフランジ工法や共板フランジ工法
丸ダクトや小型のスパイラルダクトの接続:差込み継手

以下の画像は差込み継手の施工手順です。

出典:(株)トーキン

2. 厨房フードには、ステンレス鋼板が利用される。
→適当
厨房フードには、耐食性・清掃性・耐熱性に優れたステンレス鋼板(SUS304など)が広く利用されています

3. 厨房排気ダクト用防火ダンパの温度ヒューズ溶解温度は、280℃である。
→不適当
厨房排気ダクト用防火ダンパの温度ヒューズ溶解温度は120℃が正しいです。280℃は排煙用ダンパの設定温度です。

  • 一般換気用:72℃
  • 厨房排気用:120℃
  • 排煙用:280℃

防火ダンパは、火災時に炎や煙の侵入を防ぎ、火災の延焼を防ぐための装置です。ダクトに設置され、温度ヒューズが溶けて自動的に閉じて火気を遮断します

4. 丸ダクトは、スパイラルダクトに比べて、はぜにより高い強度が得られる。
→不適当
スパイラルダクトは、板材をらせん状(スパイラル)に巻いて成形するため、はぜにより丸ダクトよりも高い強度が得られます

スパイラルダクトの「はぜ」とは、鋼板を螺旋状に巻き上げてダクトを形成する際に、帯鋼の端を折り曲げて重ね合わせ、互いにかみ合わせることで強度を高める構造部分のことです。(下記画像参照)

出典:末松工業(株)

5. 防火ダンパは、煙感知器と連動してダクトを閉鎖する。
→不適当
一般的な防火ダンパは温度ヒューズで作動します。煙感知器と連動して閉鎖するのは「防煙ダンパ」です。

防火ダンパ:火災の熱(ねつ)によってヒューズが溶断することで閉鎖
防煙ダンパ:火災の煙(けむり)によって煙感知器が作動することで閉鎖

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