問題
湿り空気線図上の状態変化に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 湿り空気を加熱すると、相対湿度は低下する。 |
2. | 湿り空気を減湿すると、水蒸気分圧は低下する。 |
3. | 湿り空気を冷却すると、比容積は小さくなる。 |
4. | 湿り空気を加湿すると、露点温度は低下する。 |
5. | 湿り空気を冷却すると、比エンタルピーは低下する。 |
回答と解説動画
正解は(4)
1.湿り空気を加熱すると、相対湿度は低下する。
→ 正しい
相対湿度とは「空気中に実際に含まれている水蒸気量」と「その温度で含むことができる最大の水蒸気量(飽和水蒸気量)」の比率です。
空気を加熱すると、空気が保持できる水蒸気の量(飽和水蒸気量)が増えますが、実際の水分量が変わらなければ、相対湿度は下がります。
たとえば、冬に暖房をつけると部屋の湿度が下がるのはこの理由です。
2.湿り空気を冷却すると、比容積は小さくなる。
→ 正しい
比容積とは「空気1kgが占める体積」のことです。
空気を冷やすと体積が縮み、同じ重さでも占める体積が小さくなります。
3.湿り空気を冷却すると、比容積は小さくなる。
→ 正しい
2と同じ内容です。冷やすと空気の体積は小さくなります。
4.湿り空気を加湿すると、露点温度は低下する。
→ 不適当
露点温度とは、「空気を冷やしていったときに水蒸気が凝結し始める温度」です。
加湿すると空気中の水分量が増えます。水分が多いほど、空気を冷やしていったときに水が結露し始める温度(露点温度)は高くなります。
つまり、加湿すれば露点温度は上昇します。
逆に、除湿すれば露点温度は下がります。
5.湿り空気を冷却すると、比エンタルピーは低下する。
→ 正しい
比エンタルピーとは「空気1kgあたりの熱量」です。
空気を冷やすと熱が失われるため、比エンタルピーも下がります。
冷房や除湿のときは、この比エンタルピーが下がる方向に状態が変化します。
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