ビル管理士 2024年(R6年) 問49  過去問の解説【空気環境の調整】

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問題

冬季の結露に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.戸建て住宅では、外気に面した壁の出隅部分の室内側で表面結露しやすい。
2.室内で家具などを外壁に接して設置すると、家具の裏側での結露防止に効果がある。
3.局部的に断熱が途切れて熱橋となった部分は、結露しやすい。
4.換気の悪い非暖房室では、暖房室で発生した水蒸気が拡散などにより流入し、温度の低い窓面で結露が生じやすい。
5.壁の内部結露の防止には、外壁内断熱層の室内側に防湿層を設けることが有効である。
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回答と解説動画

正解は(2)

1.戸建て住宅では、外気に面した壁の出隅部分の室内側で表面結露しやすい。
→ 正しい
外側の出隅(ですみ)部分は熱が逃げやすく(熱橋効果)、壁表面温度が低下するため室内側で結露しやすい。

出隅:2つの壁や、板が出会う出っ張った隅(角)のことである。 反対に入隅は引っ込んだ隅(角)のことを言う。

2.室内で家具などを外壁に接して設置すると、家具の裏側での結露防止に効果がある。
→ 不適当
家具を壁に密着させると空気の流れが遮られ、壁表面温度が低下し、逆に結露が発生しやすくなります。対策としては「家具と壁の間を5cm以上空ける」ことが推奨されます。

3.局部的に断熱が途切れて熱橋となった部分は、結露しやすい。
→ 正しい
熱橋(ヒートブリッジ)は断熱性能が低く、表面温度が下がるため結露リスクが高まります。

熱橋:壁や天井、床などの建築部位で、断熱材が途切れている部分や、金属など熱を通しやすい材料が貫通している部分のこと。熱橋部分は熱が外へ逃げやすく、室内側の表面温度が他の部分より低くなります

4.換気の悪い非暖房室では、暖房室で発生した水蒸気が拡散などにより流入し、温度の低い窓面で結露が生じやすい。
→ 正しい
非暖房室は温度が低く、暖房室からの水蒸気が流入すると露点温度を下回り結露します。換気不足が主な原因です。

5.壁の内部結露の防止には、外壁内断熱層の室内側に防湿層を設けることが有効である。
→ 正しい
防湿層を室内側に設置することで、水蒸気の壁内侵入を防ぎ内部結露を防止できます。

防湿層:室内の水蒸気が壁や天井の中に入り込んで結露(カビや腐れの原因)を起こさないようにするためのシートやフィルムのことです。
主に断熱材の室内側に、防湿性の高いポリエチレンフィルムなどを隙間なく貼って施工します。

出展:国土交通省(ZEH水準を上回る等級について)

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