問題
産業廃棄物管理票(紙マニフェスト)に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | マニフェストA票は、排出事業者保存用である。 |
2. | マニフェストB1票は、収集運搬業者保存用である。 |
3. | 中間処理が終了すると排出事業者に処分業者からD票が返却される。 |
4. | 排出事業者は処理の依頼から180日経過してもE票が返却されない場合、業者に対して処分状況を問い合わせる。 |
5. | 排出事業者は、引渡時のA票と返却された伝票を照合し、A票、B2票、D票、E票を3年間保存する。 |
回答と解説動画
正解は(5)
産業廃棄物管理票(マニフェスト)とは、産業廃棄物の処理状況を確認するために必要なもので、廃棄物処理法12条に定められています。
廃棄物処理法 第十二条の三
その事業活動に伴い産業廃棄物を生ずる事業者は、その産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合には、環境省令で定めるところにより、当該委託に係る産業廃棄物の引渡しと同時に当該産業廃棄物の運搬を受託した者に対し、当該委託に係る産業廃棄物の種類及び数量、運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称その他環境省令で定める事項を記載した産業廃棄物管理票を交付しなければならない。
排出事業者は産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合には、産業廃棄物管理票(マニフェスト)を交付し、最終処分まで確認する義務があります。
これによって、産業廃棄物を委託処理する排出事業者の責任を確保し、不法投棄を未然に防止することを目的としています。
なお、紙マニフェストは交付した日から5年間の保存が義務付けられていますが、電子マニフェストの場合は保存不要です。
以下はマニフェストの流れを簡単にまとめたものです。
- A票:排出事業者の控え
排出事業者が、廃棄物を収集運搬業者に引き渡したとき - B1票:収集運搬業者の控え
運搬業者が、中間処分業者に廃棄物を運搬したとき - B2票:排出事業者に返送(運搬業者→排出事業者)
運搬業者が、中間処分業者に廃棄物を運搬したとき - C1票:中間処分業者の控え
運搬業者が、処分業者に廃棄物を運搬したとき - C2票:収集運搬業者に返送(中間処分業者→運搬業者)
中間処分業者が廃棄物の中間処理作業を完了したとき - D票:排出事業者へ返送(中間処分業者→排出事業者)
中間処分業者が廃棄物の中間処理作業を完了したとき - E票:排出事業者へ返送(中間処分業者→排出事業者)
最終処分場での最終処分が完了後、最終処分業者から中間処分業者へ2次マニフェストのE票が届いたあと
排出事業者は、廃棄物を排出してからB2票、D票が90日以内に返送されない場合、E票が180日以内に返送されない場合は、それぞれ委託した業者に処分状況を確認しなければいけません。
マニフェストには排出事業者が交付する1次マニフェストと、中間処分業者が発行する2次マニフェストがあります。
以下のイラストを見るとわかりやすいです。
.jpg)
1.マニフェストA票は、排出事業者保存用である。
→正しい
A票は、排出事業者が交付・保存する伝票であり、マニフェストの管理開始時点で保存します。
2.マニフェストB1票は、収集運搬業者保存用である。
→正しい
B1票は、収集運搬業者が保存します。
3.中間処理が終了すると排出事業者に処分業者からD票が返却される。
→正しい
D票は中間処理終了後に排出事業者へ返送される伝票です。
4.排出事業者は処理の依頼から180日経過してもE票が返却されない場合、業者に対して処分状況を問い合わせる。
→正しい
排出事業者は、廃棄物を排出してから180日経ってもE票(最終処分完了伝票)が返ってこない場合は、委託した業者に対して処分状況を確認しなければなりません。
5.排出事業者は、引渡時のA票と返却された伝票を照合し、A票、B2票、D票、E票を3年間保存する。
→不適当
排出事業者が保存するのはA票、B2票、D票、E票で合ってますが、その保存期間は5年間です。なお、電子マニフェストは情報処理センターにマニフェスト情報が自動的に保存されるため、事業者による保存は不要となります。
解説動画
コメント