ビル管理士 2024年(R6年) 問134  過去問の解説【給水および排水の管理】

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問題

排水設備の維持管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.排水水中ポンプは、6か月~1年に1回、メカニカルシール部のオイル交換を行う。
2.排水槽内の悪臭防止対策としては、排水貯留時間が5~6時間程度となるように、タイマ制御による強制排水を行う。
3.グリース阻集器に設置されたトラップの清掃は、2か月に1回程度行う。
4.排水槽の清掃作業は、酸素濃度を確認した後、硫化水素濃度が10ppm以下であることを測定確認して行う。
5.通気管は、1年に1回程度、定期的に、系統ごとに異常がないことを点検・確認する。

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回答と解説動画

正解は(2)

1.排水水中ポンプは、6か月~1年に1回、メカニカルシール部のオイル交換を行う。
→正しい
排水水中ポンプは、メカニカルシール部のオイルを6か月~1年に1回交換する必要があります。

その他の排水ポンプに関係する点検頻度は以下のとおりです。

点検項目頻度
吐き出し圧力、揚水量、電流値、騒音、振動など日常的に行う
絶縁抵抗測定(1MΩ以上)1か月に1回
水中ポンプのメカニカルシール部のオイル交換6か月~1年に1回
メカニカルシールの交換1~2年に1回
オーバーホール3~5年に1回

2.排水槽内の悪臭防止対策としては、排水貯留時間が5~6時間程度となるように、タイマ制御による強制排水を行う。
→不適当
排水の滞留時間が5~6時間では長すぎるため、悪臭や腐敗の原因になります。通常は1~2時間程度の貯留時間となるようにタイマ制御を行い、悪臭を防止します。

3.グリース阻集器に設置されたトラップの清掃は、2か月に1回程度行う。
→正しい
グリース阻集器のトラップの清掃は、2か月に1回程度が目安とされています。なお、ストレーナの厨芥は毎日除去し、グリース(溜まった油)は7~10日に1回除去と清掃をします。

出典:高松市
点検項目頻度
ストレーナの厨芥除去毎日
グリースの除去7~10日に1回
阻集器の底部、壁面に付着したグリースや沈殿物の除去1か月に1回
トラップの清掃2か月に1回

阻集器(そしゅうき)とは、排水の中に含まれる異物を取り除く装置のことです。
油や砂、固形物などが排水管に流れ込んで詰まらないように、事前に分離して集める役割があります。設置場所によって種類があり、厨房にはグリース阻集器、整備工場にはオイル阻集器、コインランドリーには砂阻集器などが使われます。

4.排水槽の清掃作業は、酸素濃度を確認した後、硫化水素濃度が10ppm以下であることを測定確認して行う。
→正しい
排水槽などの密閉された空間で作業を行う場合は、作業前に酸素濃度→硫化水素濃度の順番で測定します。
硫化水素については、10ppm以下というな基準があり、これを超えると作業はできません。
ちなみに、酸素濃度は18%以上となっています。
これらの作業は、酸素欠乏危険作業主任者の資格を有する者が作業を指揮することが義務付けられています。

5.通気管は、1年に1回程度、定期的に、系統ごとに異常がないことを点検・確認する。
→正しい
通気管に異常があると、排水管内の圧力が不安定になり、封水破壊や臭気漏れが起こる可能性があります。
そのため、年1回程度の定期点検が望ましいとされています。

解説動画

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