ビル管理士 2024年(R6年) 問132  過去問の解説【給水および排水の管理】

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問題

排水通気設備に関する語句の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

1.特殊継手排水システムホテルの客室系統に適用
2.通気弁寒冷地の集合住宅に適用
3.排水鋼管用可とう継手排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管の接続
4.プールのオーバフロー排水  排水口開放として排水
5.即時排水型ビルピット設備排水槽の悪臭防止に有効

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回答と解説動画

正解は(4)

1.特殊継手排水システム ホテルの客室系統に適用
→正しい
特殊継手排水方式は、排水立管と排水横枝管の合流部に特殊な継手を使用する方式です。
継手内部には旋回羽根がついており、排水を旋回させながら流すことで、管内に空気の通り道を確保します。これにより、排水時の負圧や正圧の発生を抑えつつ、通気管を別に設けることなく排水の許容流量を向上させる効果があります。
通気管のスペースを削減できる反面、通気量は限られてしまいますので、排水横枝管への接続器具数が比較的少ない集合住宅やホテルの客室系統に多く採用されています。(下図の右参照)

出典:日本管材センター株式会社

2.通気弁 寒冷地の集合住宅に適用
→正しい
通気弁は、排水によって生じる負圧を補うための装置であり、空気を取り込んで封水破壊を防ぐ役割があります。
以下の画像のように、排水時に負圧が発生した場合に弁が開き、空気の吸込みのみを行います。
平常時は弁が閉じているため、排水管内の臭気を漏らすことがなく、室内でも使うことが出来ます。
そのため、屋外で通気を取ると開口部が凍り付いてしまう寒冷地でも採用されています。

出典:森永エンジニアリング

3.排水鋼管用可とう継手 排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管の接続
→正しい
排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管は、肉厚が薄いためねじ切りができず、可とう継手による接続が一般的です。

排水鋼管用可とう継手

4.プールのオーバフロー排水 排水口開放として排水
→不適当
プールの水は人の身体に直接触れるため、適切に排水口空間を取った間接排水としなくてはいけません。

排水口開放とは、間接排水の末端をあふれ縁より低い位置で開放することです。排水口空間を取らないため、人が直接触れる水には認められていません。

排水口空間について令和6年問129選択肢5参照

5.即時排水型ビルピット設備 排水槽の悪臭防止に有効
→正しい
即時排水型ビルピットは、排水を貯めずにすぐに排出する構造であるため、槽内に水が滞留せず、悪臭の発生を防止しやすくなっています。
下図のように、汚水槽のような大きなタンクを使わずに、流入してきた汚雑排水を即時ポンプアップして排水する仕組みになっています。

出典:新明和工業株式会社

解説動画

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