ビル管理士 2024年(R6年) 問131  過去問の解説【給水および排水の管理】

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問題

排水通気配管に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.結合通気管は、高層建築物のブランチ間隔10以上の排水立て管において、最上階から数えてブランチ間隔10以内ごとに設ける。
2.通気管の末端は、窓・換気口等の付近で大気に開放する場合、窓・換気口の上端から600mm以上立ち上げて開口する。
3.通気立て管の下部は、排水立て管に接続されている最低位の排水横枝管より高い位置で、排水立て管から取り出す。
4.伸頂通気方式では、排水立て管と排水横主管の接続には、大曲がりベンドなどを用いる。
5.通気立て管の上部は、最高位の衛生器具のあふれ縁から150mm以上高い位置で伸頂通気管に接続する。

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回答と解説動画

正解は(3)

1.結合通気管は、高層建築物のブランチ間隔10以上の排水立て管において、最上階から数えてブランチ間隔10以内ごとに設ける。
→正しい
結合通気管は、高層建物で排水立て管内の圧力変動を抑えるため、一定間隔ごとに設けます。一般にブランチ間隔10以内ごとの設置が推奨されています。

ブランチ間隔とは、排水立て管に接続される排水横枝管や排水横主管の接続点どうしの垂直方向の間隔のことをいいます。
この間隔が2.5メートルを超える場合に、ブランチ間隔として数えます。
逆に、2.5メートル以下であれば、ブランチ間隔には数えません
たとえば、5階建ての建物で各階に洗面器が1つずつあり、それぞれが排水立て管に接続されているとします。
このとき、接続点の数は5つですが、接続点の「間」は4つなので、ブランチ間隔の数は最大で4になります
その4区間すべてで接続高さの間隔が2.5メートルを超えていれば、ブランチ間隔は4とカウントします

出典:秋翔設計

2.通気管の末端は、窓・換気口等の付近で大気に開放する場合、窓・換気口の上端から600mm以上立ち上げて開口する。
→正しい
排水通気管の末端を大気に開放する際には、通気管を通じて悪臭や有害なガスが室内に入り込むことを防ぐ必要があります。このため、通気管の開口部は、近接する開口部(窓・換気口など)よりも600mm以上高い位置に設けるようにします。

3.通気立て管の下部は、排水立て管に接続されている最低位の排水横枝管より高い位置で、排水立て管から取り出す。
→不適当
通気立て管の下端は最低位の排水横枝管より低い位置で取り出します。
下図を確認して頂くと、通気立て管と排水立て管の接続部は、「トイレなどの衛生器具に接続されている排水横枝管の一番低いところ」よりも、さらに低い位置で接続されていることがわかると思います。
仮に排水横枝管より高い位置に通気立て管を接続すると、通気立て管を接続した箇所より低い位置の横枝管の通気が機能しなくなります。

出典:うきは市

4.伸頂通気方式では、排水立て管と排水横主管の接続には、大曲がりベンドなどを用いる。
→正しい
排水立て管と排水横主管の接続部は配管の取り回しに応じて大曲がりベンドを使用し、スムーズに接続します。排水立て管と排水横主管の位置関係については、選択肢1の画像参照。画像では立て管と横管の接続は直角になっていますが、緩やかなカーブのベンドで接続しています。

ベンド
出典:クボタケミックス

5.通気立て管の上部は、最高位の衛生器具のあふれ縁から150mm以上高い位置で伸頂通気管に接続する。
→正しい
通気立て管は、最高位の器具のあふれ縁より150mm以上高い位置で伸頂通気管に接続することが基準で定められています。

以下の画像を見て頂くと、通気立て管と伸頂通気管が上の方でで接続されていると思います。この接続ポイントが、最高位の衛生器具(下図でいえば洗面台)のあふれ縁よりも、150㎜以上高くしてくださいということを、この問題では言っています。

出典:うきは市

解説動画

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