ビル管理士 2024年(R6年) 問129  過去問の解説【給水および排水の管理】

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問題

排水通気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.厨房用の口径100mmの排水管に設置する掃除口の口径は、100mmとする。
2.管径125mmの排水横管の最小勾配は、1/150とする。
3.ドーム状のルーフドレンのストレーナ部分の開口面積は、それに接続する排水管の管断面積の2倍程度が必要である。
4.器具排水管から各個通気管を取り出す場合、各個通気管は、トラップのウェアから管径の2倍以上離れた位置からとする。
5.飲料用貯水槽の間接排水管の口径が65mmの場合、排水口空間は、最小125mmとする。

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回答と解説動画

正解は(5)

1.厨房用の口径100mmの排水管に設置する掃除口の口径は、100mmとする。
→正しい
厨房用の掃除口の口径は、接続する排水管と同じ口径とするのが原則です。
なお、厨房用以外の掃除口の口径は、排水管の管径が100mm以下の場合はその配管と同じ径とし、100mmを超える場合は掃除口の口径を100mm以上とします。

排水管の管径掃除口の口径
100mm以下管径と同じ
100mmを超える100mm以上
厨房用(例外)管径と同じ

掃除口とは、排水管の途中に取り付けられている点検・清掃用の開口部のことです。排水管の詰まりやすい場所や曲がり角に設置されることが多く、内部に異物が詰まったときに、ここから器具を差し込んで清掃できるようになっています。

掃除口
出典:中部コーポレーション

2.管径125mmの排水横管の最小勾配は、1/150とする。
→正しい
「排水横管の管径と最小勾配」とは、排水をスムーズに流すために必要な管の太さ(直径)と、傾ける角度(勾配)に関する基準です。例えば「1/100の勾配」とは、1メートル進むごとに1cmの高さの差をつけるという意味です。
管径125mmの排水横管の場合、最小勾配は1/150とされています。

なお、排水横管が水平すぎると、水が流れずに溜まってしまい、詰まりや悪臭の原因になります。また、逆に勾配をつけすぎると、水だけ先に流れて汚物が残ってしまうことも。そこで、管の太さ(管径)ごとに適切な「最小勾配」が決められています。

その他の管径に対する最小勾配は以下の通りです。(全て暗記)

管径最小勾配
65[mm]以下1/50
75、100[mm]1/100
125[mm]1/150
150、200、250、300[mm]1/200

3.ドーム状のルーフドレンのストレーナ部分の開口面積は、それに接続する排水管の管断面積の2倍程度が必要である。
→正しい
ストレーナの目詰まりや通水不良を防ぐため、開口面積は接続管の断面積の2倍程度が必要とされています。

ルーフドレンとは、屋上やバルコニーなどに降った雨水を集めて排水するための装置です。屋上の床面、つまり防水層の低い位置に取り付けられていて、ここから雨水を建物内の排水管に流す構造になっています。もしルーフドレンが落ち葉などが原因で詰まったりすると、屋上がプールのようになってしまうので、定期的に清掃や点検をする必要があります。

ドーム型ルーフドレン
出典:㈱長谷川鋳工所

4.器具排水管から各個通気管を取り出す場合、各個通気管は、トラップのウェアから管径の2倍以上離れた位置からとする。
→正しい
器具排水管から各個通気管を取り出す場合は、通気管をトラップのウェア、つまり封水の最上部から管径の2倍以上離れた位置に接続する必要があります。この位置が近すぎると、排水時に発生する流れによって、汚水が通気管側に侵入してしまうおそれがあるためです。

5.飲料用貯水槽の間接排水管の口径が65mmの場合、排水口空間は、最小125mmとする。
→不適当
飲料用貯水槽の場合、排水口空間は口径に関係なく150mm以上とすることが基準です。

間接排水管の管径(mm)排水口空間(mm)
25以下最小50
30~50最小100
65以上最小150
飲料用貯水槽など最小150mm

排水口空間とは、器具の排水管の出口と、排水を受ける場所の間の高さのことです。この空間があることで、排水が逆流したり汚水が戻ったりするのを防ぎます。つまり、排水した水が逆流しないように安全な距離を保っています。
以下の画像で説明すると、右にあるオーバーフロー管の先端に設けらていている空間が排水口空間です。

出典:一般財団法人埼玉水道サービス公社

解説動画

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