ビル管理士 2024年(R6年) 問116  過去問の解説【給水および排水の管理】

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問題

給水設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.可とう継手は、建築物の揺れ、地盤の不等(不同)沈下、配管の振動等による変位の吸収のために配管に取り付ける。
2.ウォータハンマとは、給水管路において、弁を急激に閉止するときに弁の下流に生じる著しい圧力上昇が、圧力変動の波として管に伝わる現象である。
3.合成樹脂管のクリープ劣化とは、合成樹脂に熱応力が長時間継続してかかる場合、材料変形が時間とともに進んでいく状態をいう。
4.吸排気弁は、給水管内の空気の排出と、給水管内が負圧になった場合の逆流防止のために設置する。
5.さや管ヘッダ工法とは、集合住宅の住戸内などで、ヘッダから各器具にそれぞれ単独でさや管を用いて配管する工法である。

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回答と解説動画

正解は(2)

1. 可とう継手は、建築物の揺れ、地盤の不等(不同)沈下、配管の振動等による変位の吸収のために配管に取り付ける。
→ 正しい
可とう継手は、地震や不同沈下、振動による変位を吸収する目的で配管に設置されます。
なお、勘違いしやすい知識で伸縮継手があります。伸縮継手は、膨張・収縮による変位を吸収し配管の破損を防ぐために利用されますので、こちらも覚えておきましょう。

2. ウォータハンマとは、給水管路において、弁を急激に閉止するときに弁の下流に生じる著しい圧力上昇が、圧力変動の波として管に伝わる現象である。
→ 不適当
ウォーターハンマーで上流側の圧力が高まる理由は、流れていた水が急にバルブなどで遮断されると、その水の慣性によって運動エネルギーが行き場を失い、バルブ直前に一気に押し寄せるためです。
例えるなら、満員電車が急停車したときに、乗客が前方に一斉に押し寄せて圧力がかかるのと同じです。水は急に止められてもすぐには止まれず、バルブの上流側で圧縮される形になり、その結果、急激な圧力上昇が発生します。
この圧力変動が配管内を波として伝わり、衝撃音や振動、さらには配管の損傷につながることがあります。

3. 合成樹脂管のクリープ劣化とは、合成樹脂に熱応力が長時間継続してかかる場合、材料変形が時間とともに進んでいく状態をいう。
→ 正しい
合成樹脂管のクリープ劣化は、熱応力が長時間かかることで変形が進む現象です。

4. 吸排気弁は、給水管内の空気の排出と、給水管内が負圧になった場合の逆流防止のために設置する。
→ 正しい
吸排気弁は、給水管内の空気を排出する機能と、給水管内が負圧になった場合に外部から空気を吸い込み、負圧を解消する機能を持っています。

5. さや管ヘッダ工法とは、集合住宅の住戸内などで、ヘッダから各器具にそれぞれ単独でさや管を用いて配管する工法である。
→ 正しい
さや管ヘッダー工法とは、集合住宅などで、ヘッダーから各水栓までをさや管(二重管)で個別に配管する工法です。これにより、水圧の安定やメンテナンス性の向上が期待できます。

解説動画

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