問題
給水配管に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 硬質ポリ塩化ビニル管の接合は、一般に融着接合で行う。 |
2. | 飲料水用配管は、他の配管系統と識別できるようにする。 |
3. | ウォータハンマ防止器は、ウォータハンマ発生箇所に近接して設置する。 |
4. | 銅管は、銅イオンが水に浸出して青水が生じることがある。 |
5. | ステンレス鋼管は、酸化被膜により耐食性を有している。 |
回答と解説動画
正解は(1)
1.硬質ポリ塩化ビニル管の接合は、一般に融着接合で行う。
→不適当
硬質ポリ塩化ビニル管の接合は、一般的に「接着接合」で行われます。融着接合は主にポリエチレン管などで用いられる方法であり、硬質塩ビ管には適用されません。
なお、接着接合とは、専用の接着剤を使用して管と継手を接合する方法で、主に給水管などの小口径管に使用されています。
以下は各種配管の接続方法です。
配管種別 | 主な接合方法 | 配管の特徴 |
---|---|---|
合成樹脂ライニング鋼管 | ネジ接合、フランジ接合 | 鋼管の内面に合成樹脂をライニング。耐食性・耐薬品性・機械的強度に優れ、内面が平滑で摩擦抵抗が小さい。 |
銅管 | 差込みろう接合 | 耐食性・耐熱性に優れる。加工性が高く、細径配管や曲げ加工にも適する。銅イオンが水に浸出して青水が生じることがある。 |
ステンレス鋼管 | 溶接接合、メカニカル形接合(フランジ接合) | 酸化被膜により高い耐食性と強度を持ち、長寿命。表面の酸化被膜により錆びにくい。衛生的で広範な用途に使用。 |
硬質ポリ塩化ビニル管 | 接着接合 | 軽量で耐食性・耐薬品性に優れる。施工が容易でコストも低いが、高温や衝撃には弱い。 |
架橋ポリエチレン管 | メカニカル形接合、融着接合 | 柔軟性・耐震性・耐食性に優れる。軽量で施工性が高く、耐薬品性も良い。 |
ポリブテン管 | メカニカル形接合、融着接合 | 柔軟性・耐衝撃性・耐薬品性・耐熱性に優れる。施工がしやすい。 |
2.飲料水用配管は、他の配管系統と識別できるようにする。
→正しい
飲料水用配管は、誤接続や誤使用を防ぐため、色分けや表示などで他の配管と明確に識別できるようにすることが求められています。
3.ウォータハンマ防止器は、ウォータハンマ発生箇所に近接して設置する。
→正しい
ウォータハンマ防止器は、急激な水の停止や流れの変化によって発生する衝撃(ウォータハンマ)を効果的に防止するため、発生源にできるだけ近い位置に設置するのが基本です。
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4.銅管は、銅イオンが水に浸出して青水が生じることがある。
→正しい
銅管を使用した場合、水質や使用条件によっては銅イオンが水に溶け出し、「青水」が発生することがあります。
5.ステンレス鋼管は、酸化被膜により耐食性を有している。
→正しい
ステンレス鋼管は、表面に形成される酸化被膜によって高い耐食性を持っています。
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