ビル管理士 2024年(R6年) 問112  過去問の解説【給水および排水の管理】

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問題

給水設備に関する語句と数値の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

1.事務所ビルのゾーニングを行った場合における給水の上限水圧:0.5MPa
2.高等学校における1日当たりの設計給水量:200~250L/人
3.事務所ビルで節水器具を使用する場合の1日当たりの設計給水量:40~60L/人
4.給水配管の適正流速:0.9~1.2m/s
5.大便器洗浄弁の必要水圧:70kPa

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回答と解説動画

正解は(2)

1.事務所ビルのゾーニングを行った場合における給水の上限水圧:0.5MPa
→正しい
ゾーニングとは、建物内の給水系統を複数の区画に分けて管理することです。
特に高層ビルや大規模な建物では、1つの系統で全フロアに給水すると、下層階では水圧が非常に高くなりすぎてしまいます。
水圧が過大になると、配管や継手に大きな負担がかかり、ウォーターハンマー(配管内の衝撃音や振動)、配管の破損、漏水などのトラブルが発生しやすくなります。
そのため、適正な水圧を保つために、高層階と低層階などに分けて給水系統を区切る「ゾーニング」が必要になります。
事務所や工場では、ゾーニングを行った場合の給水の上限水圧は0.5MPaが上限とされています。
また、住宅やホテルなどの生活空間では、より低い0.3MPa以下が望ましいとされています。

2.高等学校における1日当たりの設計給水量:200~250L/人
→不適当
高等学校の設計給水量は、一般的に1日あたり約70~100リットル/人が標準的な数値です。

設計給水量とは、給水設備を設計する際に、使用される水量を予測し、それに基づいて給水管のサイズやポンプの容量などを決定するために用いられる水量のことを指します。具体的には、建物の用途や規模、使用人数などを考慮して、1日あたりの平均使用水量や最大使用水量などを算出します。

その他の施設については以下のとおりです。表の数値を覚えましょう。

建物用途単位給水量(1日あたり)
戸建て住宅300~400ℓ/人
集合住宅200~350ℓ/人
官公庁・事務所60~100ℓ/人
40~60ℓ/人(節水器具の場合)
小学校・中学校・高等学校70~100ℓ/人
総合病院1,500~3,500ℓ/床
30~60ℓ/㎡
ホテル客室350~450ℓ/床
デパート・スーパー15~30ℓ/㎡
飲食店55~130ℓ/客

3.事務所ビルで節水器具を使用する場合の1日当たりの設計給水量:40~60L/人
→正しい
節水器具を用いることで、事務所ビルの給水量は1人あたり40~60リットル程度に抑えられます。

4.給水配管の適正流速:0.9~1.2m/s
→正しい
給水配管における適正な流速は、一般的に0.9~1.2m/sとされています。これは、給水管内の水流がスムーズで、騒音や水撃作用を抑制し、かつ管内腐食やスケール付着を軽減するためです。

5.大便器洗浄弁の必要水圧:70kPa
→正しい
大便器洗浄弁の必要水圧は一般的に70kPa以上とされ、70kPaは最低限の基準値として適切です。

その他の器具については以下のとおりです。表の数値を覚えましょう。

器具名必要水圧(kPa)
大便器洗浄弁70
小便器洗浄弁70
シャワー70
一般水栓30
ガス瞬間湯沸器40

解説動画

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