問題
給水及び排水に関する用語とその説明との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
1. | メカニカル形接合 | ねじ込み、接着等による配管の接合方法 |
2. | 毛細管現象 | トラップのウェアに引っ掛かった糸くずや毛髪により、漸次封水が減少する現象 |
3. | 着色障害 | 主として給水配管材料の腐食による生成物が水に溶解することにより起こる現象 |
4. | 生物膜法 | 微生物が主要な構成要素となっている膜を利用して汚水を処理する方法 |
5. | DPD法 | 水道水の残留塩素を発色試薬を用いて簡易に測定する方法 |
回答と解説動画
正解は(1)
1.メカニカル形接合 ねじ込み、接着等による配管の接合方法
→不適当
メカニカル形接合は、ねじ込みや接着によるものではなく、機械的に締結するフランジなどの接合方法を指します。
以下は、メカニカル形接合であるフランジ接続の資料です。ガスケットがパッキンの役割を果たします。
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出典:株式会社テイエルブイ
参考までに、ねじ込み接続の資料も以下に掲載しておきます。「ねじ込み」という名称のとおり、配管に切られたネジ山を差し込んで接続します。シールテープは液体の漏れや配管のつなぎ目の気密性を高めるために巻いています。
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出典:株式会社テイエルブイ
2.毛細管現象 トラップのウェアに引っ掛かった糸くずや毛髪により、漸次封水が減少する現象
→正しい
毛細管現象とは、トラップ内に糸くずや毛髪などの繊維状異物が引っ掛かることで、表面張力によって封水が徐々に吸い上げられ、封水が減少する現象です。これによりトラップの機能が損なわれることがあります。
排水トラップと封水については以下の説明を読んでください。
以下は各種トラップの構造を図にしたものです。どのトラップにも水が溜まる部分があることがわかりますよね。
この水溜まりが、蓋の役割をしており下水臭が上がってくることを防止しています。
しかし、トラップ内に糸くずや毛髪などの繊維状異物が引っ掛かると、この水溜まり(封水)が少しずつ減ってしまい、最終的に水が無くなることで下水の臭いが上がってきてしまうのです。
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3.着色障害 主として給水配管材料の腐食による生成物が水に溶解することにより起こる現象
→正しい
着色障害は、給水配管の腐食生成物(鉄さび等)が水に溶けて水が着色する現象です。
4.生物膜法 微生物が主要な構成要素となっている膜を利用して汚水を処理する方法
→正しい
生物膜法は、微生物が膜状に付着したろ材などを用いて、汚水中の有機物を分解・処理する方法です。
様々な分野で活用されており、特に浄化槽や排水処理施設で多く採用されています。
5.DPD法 水道水の残留塩素を発色試薬を用いて簡易に測定する方法
→正しい
DPD法は、発色試薬(DPD試薬)を使い、水道水中の残留塩素を簡易に測定する方法です。
以下のような道具を使って残留塩素を測定します。
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解説動画
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