ビル管理士 2023年(R5年) 問94  過去問の解説【建築物の構造概論】

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問題

鉄骨構造とその材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.梁部材には、形鋼や鋼板の組立て材などが用いられる。
2.鋼材の強度は温度上昇とともに低下し、1,000℃でほとんど零となる。
3.鉄骨構造は耐食性に乏しいため、防錆(せい)処理が必要である。
4.骨組の耐火被覆の厚さは、耐火時間に応じて設定する。
5.鋼材の炭素量が増すと、一般に溶接性が向上する。

回答と解説動画

正解は(5)

1. 梁(はり)部材には、形鋼や鋼板の組立て材などが用いられる。
→ 正しい
鉄骨梁にはH形鋼などの形鋼や、鋼板を溶接・組立てた断面の組立て梁が広く用いられています。

形鋼
出典:愛知製鋼
平鋼
出典:愛知製鋼
鋼板
出典:愛知製鋼

2. 鋼材の強度は温度上昇とともに低下し、1,000℃でほとんど零となる。
→ 正しい
鋼材は高温になると急激に強度が低下し、1,000℃付近では実用的な強度をほぼ失います。

3. 鉄骨構造は耐食性に乏しいため、防錆(せい)処理が必要である。
→ 正しい
鉄骨は錆びやすいため、塗装や溶融亜鉛めっきなどの防錆処理が不可欠です。

4. 骨組の耐火被覆の厚さは、耐火時間に応じて設定する。
→ 正しい
耐火被覆の厚さは、建物用途や法令で定められた耐火時間(例:1時間、2時間)に合わせて決められます。

5. 鋼材の炭素量が増すと、一般に溶接性が向上する。
→ 不適当
炭素量が増加すると、鋼材は硬くなりますが、脆くなり、溶接時の熱による影響を受けやすくなるため、溶接性が悪化します。

解説動画

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