問題
鉄筋コンクリート構造とその材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | セメントペーストは、砂、セメント、水を練り混ぜたものである。 |
2. | 梁(はり)に設けられた設備配管のための開孔部の径は、一般に梁せいの1/3以下とする。 |
3. | コンクリートと鉄筋の線膨張係数は、ほぼ等しい。 |
4. | 柱の帯筋比は、0.2%以上とする。 |
5. | 中性化している部分のコンクリート表面からの距離を中性化深さという。 |
回答と解説動画
正解は(1)
1.セメントペーストは、砂、セメント、水を練り混ぜたものである。
→不適当
セメントペーストは「セメント」と「水」のみを練り混ぜたものであり、「砂」を含みません。砂が加わると「モルタル」となります。
以下の違いは暗記必須です。
- モルタル:砂、セメント、水を練り混ぜたもの
- コンクリート:砂、砂利、セメント、水を混合し練り混ぜて固めたもの
- セメントペースト:水とセメントを練り混ぜたもの
2.梁(はり)に設けられた設備配管のための開孔部の径は、一般に梁せいの1/3以下とする。
→正しい
設備配管などのために梁に開孔(穴を開ける)する場合、梁の構造性能に配慮して開孔部の径は梁せいの1/3以下とするのが一般的です。
梁せいとは、梁の高さのことで、下面から上面までの高さを指す建築用語です。
例えば、梁せいが18㎝だったとしたら、そこに開けることができる開孔部(穴)は6㎝以下にしてください言うことです。
3.コンクリートと鉄筋の線膨張係数は、ほぼ等しい。
→正しい
一般的に鉄鋼の線膨張係数はコンクリートとほぼ等しく、温度変化による膨張や収縮がほぼ同じであるため、鉄筋コンクリート構造では安定した性能を発揮します.。
4.柱の帯筋比は、0.2%以上とする。
→正しい
柱の帯筋比とは、鉄筋コンクリート造の柱において、コンクリートの断面積に対する帯筋の断面積の合計の割合を指します。建築基準法では、この帯筋比を0.2%以上と規定しています。
5.中性化している部分のコンクリート表面からの距離を中性化深さという。
→正しい
コンクリートの中性化が進んだ部分の、コンクリート表面からの距離を中性化深さといいます。中性化とは、コンクリート中のアルカリ成分が、空気中の二酸化炭素などによって中性付近に変化する現象です。この中性化が進むと、鉄筋を保護しているアルカリ性が失われ、鉄筋が腐食しやすくなるため、コンクリートの劣化を進行させる要因となります。
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