ビル管理士 2023年(R5年) 問62  過去問の解説【空気環境の調整】

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問題

湿り空気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.顕熱比とは、顕熱の変化量の、全熱の変化量に対する比である。
2.露点温度とは、湿り空気を冷却したとき飽和状態になる温度のことである。
3.絶対湿度とは、湿り空気中の水蒸気量の、湿り空気の全質量に対する比である。
4.相対湿度とは、ある湿り空気の水蒸気分圧の、その湿り空気と同一温度の飽和水蒸気分圧に対する比を、百分率で表したものである。
5.熱水分比とは、比エンタルピーの変化量の、絶対湿度の変化量に対する比である。
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回答と解説動画

正解は(3)

  1. 顕熱比とは、顕熱の変化量の、全熱の変化量に対する比である。
     → 正しい。顕熱比は、顕熱(温度変化による熱)の変化量を全熱(顕熱+潜熱)の変化量で割ったものです。
  2. 露点温度とは、湿り空気を冷却したとき飽和状態になる温度のことである。
     → 正しい。露点温度は、湿り空気を冷却していったときに水蒸気が凝縮し始める(飽和状態になる)温度を指す。
  3. 絶対湿度とは、湿り空気中の水蒸気量の、湿り空気の全質量に対する比である。
     → 誤り。絶対湿度は「湿り空気中の乾燥空気1kgに含まれる水蒸気の質量(kg)」を意味し、「湿り空気全体の質量に対する比」ではない。この定義の誤りが、ビル管理士試験でも頻出です。
  4. 相対湿度とは、ある湿り空気の水蒸気分圧の、その湿り空気と同一温度の飽和水蒸気分圧に対する比を、百分率で表したものである。
     → 正しい。相対湿度は、ある温度での水蒸気分圧と飽和水蒸気分圧の比を百分率で示したものです。
  5. 熱水分比とは、比エンタルピーの変化量の、絶対湿度の変化量に対する比である。
     → 正しい。熱水分比は、比エンタルピー(空気1kgあたりの熱量)の変化量を絶対湿度の変化量で割ったものです。

結論
最も不適当なものは「絶対湿度とは、湿り空気中の水蒸気量の、湿り空気の全質量に対する比である。」です。
絶対湿度の正しい定義は「乾燥空気1kgに含まれる水蒸気の質量」であり、湿り空気全体の質量に対する比ではない。ビル管理士試験ではこの定義の違いがよく問われるので注意が必要です。

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