ビル管理士 2023年(R5年) 問53  過去問の解説【空気環境の調整】

内容に誤りがあった場合は、お手数ですがコメント欄で教えて頂けると助かります。

問題

室内気流に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.混合換気(混合方式の換気)は、室温よりやや低温の空調空気を床面付近に低速で供給し、天井面付近で排気する換気方式である。
2.コールドドラフトは、冷たい壁付近などでの自然対流による下降流が原因で生じることがある。
3.壁面上部からの水平吹出しの空気調和方式では、暖房時に居住域に停滞域が生じて上下温度差が大きくなりやすい。
4.天井中央付近から下向き吹出しの空気調和方式では、冷房時に冷気が床面付近に拡散し、室上部に停滞域が生じやすい。
5.ドラフトとは不快な局部気流のことであり、風速、気流変動の大きさ、空気温度の影響を受ける。
created by Rinker
¥2,200 (2025/06/20 09:31:41時点 Amazon調べ-詳細)

回答と解説動画

正解は(1)

1.混合換気(混合方式の換気)は、室温よりやや低温の空調空気を床面付近に低速で供給し、天井面付近で排気する換気方式である。
→ 不適当
この説明は「置換換気方式」の特徴です。
混合換気(混合方式)は、天井や壁などから空調空気を室内に吹き出し、室内の空気と十分に混合・希釈したうえで排気する方式です。
一方、置換換気方式は、室温よりやや低温の新鮮空気を床面付近から低速で供給し、上部から排気することで、室内の汚染空気を効率よく押し出す方式です。

出典:日本冷凍空調学会

2.コールドドラフトは、冷たい壁付近などでの自然対流による下降流が原因で生じることがある。
→ 正しい
コールドドラフトは、冬季などに冷たい外壁や窓の近くで空気が冷やされ、自然対流によって床面に向かって下降流が生じる現象です。この下降流が居住者に不快感を与えることがあります。

3.壁面上部からの水平吹出しの空気調和方式では、暖房時に居住域に停滞域が生じて上下温度差が大きくなりやすい。
→ 正しい
暖房時に壁面上部から温風を水平に吹き出すと、暖かい空気が天井付近に滞留しやすく、床付近との上下温度差が大きくなりやすいです。

ヘタ・レイ

空気は温度により密度が変化するため、冷たい空気(密度高)は下へ暖かい空気(密度低)は上にいく性質があります。

4.天井中央付近から下向き吹出しの空気調和方式では、冷房時に冷気が床面付近に拡散し、室上部に停滞域が生じやすい。
→ 正しい
冷房時に天井中央から冷気を下向きに吹き出すと、冷たい空気は床付近にたまりやすく、室の上部には暖かい空気が停滞しやすくなります。これにより上下温度差や停滞域が生じやすくなります。(選択肢3と逆のことを言っています)

5.ドラフトとは不快な局部気流のことであり、風速、気流変動の大きさ、空気温度の影響を受ける。
→ 正しい
ドラフトは、室内で感じる不快な局部的な気流のことで、風速が大きい場合や気流の変動が激しい場合、また空気温度が低い場合などに不快感が増します。

解説動画

解説動画はまだありません

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次