問題
眼の構造と光の知覚・明るさに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 眼の網膜にある視細胞が光を感知する。 |
2. | 網膜は眼の前面、水晶体の前方に位置する。 |
3. | 黒色の円環の切れ目を見ることで視力を測る方法がある。 |
4. | 室内における適正な照明の量は、使用用途によって異なる。 |
5. | 物体の色は、光が物体に入射し、反射した光の分光分布により見られる。 |
回答と解説動画
正解は(2)
1.眼の網膜にある視細胞が光を感知する
→ 正しい
網膜には光を感じる視細胞があり、光を神経信号に変換して脳に伝えます。
2.網膜は眼の前面、水晶体の前方に位置する
→ 不適当
網膜は眼球の最も内側、いわゆる「眼底」に位置し、水晶体よりも後ろ(眼の奥)にあります。水晶体は角膜の奥にあり、光を屈折させて網膜に像を結びます。
角膜→水晶体→網膜の順番です。

3.黒色の円環の切れ目を見ることで視力を測る方法がある
→ 正しい
ランドルト環(C環)と呼ばれる黒い円の切れ目の方向を答えることで視力を測定する方法が一般的です。

有名なこれですね


4.室内における適正な照明の量は、使用用途によって異なる
→ 正しい
室内照明の適正な明るさ(照度)は、作業内容や用途ごとに異なります。たとえば、事務作業、読書、手術室などで必要な照度は異なります。
5.物体の色は、光が物体に入射し、反射した光の分光分布により見られる
→ 正しい
物体の色は、入射光が物体表面で反射・吸収され、その反射光の分光分布(波長ごとの強さ)によって人間の目に色として知覚されます。
【以下の説明は覚えてなくても良いです。】
私たちが色を感じるには「光」が必要です。太陽や照明などの光が物体に当たると、その物体は光の一部を吸収し、残りを反射します。この反射した光が私たちの目に入ることで、色を感じることができます。
例えば、赤いリンゴの場合、リンゴの表面は青や緑の光を吸収し、赤い光だけを多く反射します。その赤い光が目に届くので、私たちはリンゴを「赤」と感じます。
目の網膜には「錐体細胞」という色を感じる細胞があり、赤・緑・青の3つの波長(色)にそれぞれ敏感なタイプがあります。反射した光の波長の組み合わせや強さをこれらの細胞が感じ取り、その情報が脳に伝わることで、最終的に「色」として認識されます。
つまり、物体の色は「物体がどんな光を反射するか」と「その反射光を目と脳がどう感じるか」で決まります。色は物体そのものにあるわけではなく、光と私たちの視覚があって初めて見えるものです。
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