ビル管理士 2023年(R5年) 問126  過去問の解説【給水および排水の管理】

内容に誤りがあった場合は、お手数ですがコメント欄で教えて頂けると助かります。

問題

排水の水質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.全窒素は、アンモニア性窒素、亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素の総和である。
2.浮遊物質(SS)は、試料を孔径1μmのガラスファイバろ紙でろ過し、蒸発乾固したろ紙上の残留物の重量で表す。
3.溶存酸素(DO)は、水中に溶解している分子状の酸素である。
4.生物化学的酸素要求量(BOD)は、主として水中の有機物質が好気性微生物によって分解される際に消費される酸素量を表す。
5.流入するリン化合物は、生活排水、畜産排水、工場排水等に由来する。

回答と解説動画

正解は(1)

1.全窒素は、アンモニア性窒素、亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素の総和である。
→不適当
全窒素は、アンモニア性窒素、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素に加えて、有機性窒素も含めたすべての形態の窒素の合計を指します。したがって、有機性窒素が含まれていないこの記述は誤りです。
なお、水中の窒素は、魚や植物の生育に必要な栄養素ですが、過剰になると水質悪化や富栄養化の原因になります。そのため、全窒素の量を測ることで、水の汚れ具合や環境への影響を把握し、適切な水質管理や環境保護を行うことができます。

富栄養化とは、水中の窒素やリンなどの栄養分が過剰に増えることで、藻類や水草が異常に繁殖してしまう現象です。これが起こると、水が濁ったり悪臭が発生するため水質が悪くなります。

2.浮遊物質(SS)は、試料を孔径1μmのガラスファイバろ紙でろ過し、蒸発乾固したろ紙上の残留物の重量で表す。
→正しい
浮遊物質(SS)は、水中の細かいゴミや泥などをろ過して集め、乾燥させて重さを測ることで評価します。

3.溶存酸素(DO)は、水中に溶解している分子状の酸素である。
→正しい
溶存酸素(DO)は、水の中に溶け込んでいる酸素分子のことで、水質の良し悪しを判断する指標です。

4.生物化学的酸素要求量(BOD)は、主として水中の有機物質が好気性微生物によって分解される際に消費される酸素量を表す。
→正しい
BODとは、水中の有機物を分解するために微生物が消費する酸素の量を表す指標で、水質汚濁の程度を示す指標の一つです。BODが高いほど、水中の有機物が多く、水質が悪いことを意味します。

5.流入するリン化合物は、生活排水、畜産排水、工場排水等に由来する。
→正しい
リンは、家庭や工場、畜産施設などからの排水に含まれており、河川や湖の富栄養化を引き起こす原因になります。

解説動画

解説動画はまだありません

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次