問題
鉄骨構造とその材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 鋼材の降伏比は、引張強さの降伏強さに対する割合をいう。 |
2. | 柱脚部と基礎は、支持条件により、ピン、半固定、固定等を選択して設計する。 |
3. | スタッドボルトは、鉄骨梁(ばり)とコンクリートスラブを緊結するために使用する。 |
4. | 鉄骨構造の解体は、一般の鉄筋コンクリート構造より容易である。 |
5. | 高力ボルトの締付け長さは、接合される鋼板の板厚の総和をいう。 |
回答と解説動画
正解は(1)
1.鋼材の降伏比は、引張強さの降伏強さに対する割合をいう。
→ 不適当
降伏比は「降伏強さ/引張強さ」であり、記述は逆です。
2.柱脚部と基礎は、支持条件により、ピン、半固定、固定等を選択して設計する。
→ 正しい
柱脚部と基礎の接合条件は、設計に応じてピン・半固定・固定などから選択されます。
- ピン接合
柱が基礎に「立っているだけ」のようなイメージ。
回転は自由で、地震や風で柱が少し傾いても基礎に力が伝わりにくい。
→ 建物全体が柔らかく動きやすい。 - 固定接合
柱と基礎がガッチリ一体化していて、柱が傾こうとすると基礎にも大きな力が伝わる。
→ 建物全体がしっかりして変形しにくい。耐震性が高い。 - 半固定接合
ピンと固定の中間くらい。ある程度は回転できるが、完全には自由じゃない。
→ 柔軟性と剛性のバランスをとれる。
3.スタッドボルトは、鉄骨梁(ばり)とコンクリートスラブを緊結するために使用する。
→ 正しい
スタッドボルトは、鉄骨梁とコンクリートスラブを一体化させるために使われます。
.jpg)
出典:ダイヘンスタッド
4.鉄骨構造の解体は、一般の鉄筋コンクリート構造より容易である。
→ 正しい
鉄骨構造はボルトや溶接部を切断すれば分解できるため、一般に鉄筋コンクリート構造より解体が容易です。
5.高力ボルトの締付け長さは、接合される鋼板の板厚の総和をいう。
→ 正しい
鉄骨構造では、複数の鋼板(例えば梁や柱など)を重ねてボルトで締結します。このとき、ボルトで実際に締め付ける鋼板すべての厚みを合計した長さが「締付け長さ」です。(下図参照)
.jpg)
解説動画
コメント