問題
光と照明に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 光が当たった物体の境界面が平滑な場合、光は正反射し、光沢となる。 |
2. | 建築化照明とは、照明器具を建築物の一部として天井、壁等に組み込んだ照明方式である。 |
3. | 間接昼光率は、室内反射率の影響を受ける。 |
4. | 点光源から発する光による照度は、光源からの距離に反比例する。 |
5. | 観測者から見た照明器具の発光部の立体角が大きいほど、照明器具の不快グレアの程度を表すUGRの値は大きくなる。 |
回答と解説動画
正解は(4)
1. 光が当たった物体の境界面が平滑な場合、光は正反射し、光沢となる。
→ 正しい
表面が平滑な場合は正反射が起き、光沢が生じます。
2. 建築化照明とは、照明器具を建築物の一部として天井、壁等に組み込んだ照明方式である。
→ 正しい
建築化照明は、天井や壁など建築部材に照明器具を組み込む方式です。(下の画像のように照明器具が見えないようになっている)
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3. 間接昼光率は、室内反射率の影響を受ける。
→ 正しい
間接昼光率は、室内の壁や天井などの反射率が高いほど大きくなります。
4. 点光源から発する光による照度は、光源からの距離に反比例する。
→ 不適当
点光源からの照度は、距離の「2乗」に反比例します。つまり、距離が2倍になると照度は1/4になります。距離に単純に反比例するのは誤りです。
5. 観測者から見た照明器具の発光部の立体角が大きいほど、照明器具の不快グレアの程度を表すUGRの値は大きくなる。
→ 正しい
発光部の立体角が大きいほど、UGR(不快グレア評価値)は大きくなります。
光と照明関連の用語まとめ
名称 | 定義 |
---|---|
全天空照度 | 屋外の開放空間で、直射日光を除いた天空全体からの光(天空光)による水平面照度。 ポイント:直射日光は含まない。単位はルクス(lx)。 |
設計用全天空照度 | 建築や照明設計で基準とする代表的な全天空照度の値。天候ごとに標準値が決められている。 |
昼光率 | 室内のある点の昼光照度(直射日光を除く)を、同時刻の屋外の全天空照度で割った比率(パーセント)。 ポイント:昼光率(%)=(室内昼光照度 ÷ 全天空照度)× 100 |
直接昼光率 | 室内のある点に入射する天空光のうち、窓から直接入る成分の昼光率。 ポイント:直射日光は含まない。 |
間接昼光率 | 室内の壁や天井などに反射して入射する天空光成分の昼光率。 ポイント:室内反射率の影響を受ける。 |
天空光 | 空全体(太陽以外の部分)から来る光。直射日光を除く自然光。 ポイント:曇りの日は天空光のみ、晴れの日は直射日光+天空光。 |
直射日光 | 太陽から直接届く光。天空光とは区別される。 ポイント:晴天時のみ存在し、照度が非常に高い。 |
グローバル照度 | 直射日光照度と天空光照度の合計。 ポイント:屋外で実際に観測される全光量。 |
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