ビル管理士 2022年(R4年) 問89  過去問の解説【空気環境の調整】

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問題

光と照明に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.光が当たった物体の境界面が平滑な場合、光は正反射し、光沢となる。
2.建築化照明とは、照明器具を建築物の一部として天井、壁等に組み込んだ照明方式である。
3.間接昼光率は、室内反射率の影響を受ける。
4.点光源から発する光による照度は、光源からの距離に反比例する。
5.観測者から見た照明器具の発光部の立体角が大きいほど、照明器具の不快グレアの程度を表すUGRの値は大きくなる。

回答と解説動画

正解は(4)

1. 光が当たった物体の境界面が平滑な場合、光は正反射し、光沢となる。
→ 正しい
表面が平滑な場合は正反射が起き、光沢が生じます。

2. 建築化照明とは、照明器具を建築物の一部として天井、壁等に組み込んだ照明方式である。
→ 正しい
建築化照明は、天井や壁など建築部材に照明器具を組み込む方式です。(下の画像のように照明器具が見えないようになっている)

3. 間接昼光率は、室内反射率の影響を受ける。
→ 正しい
間接昼光率は、室内の壁や天井などの反射率が高いほど大きくなります。

間接昼光率とは、窓から入った光が室内の天井や壁などで反射し、室内の特定の点に届く光の割合のことです。

4. 点光源から発する光による照度は、光源からの距離に反比例する。
→ 不適当
点光源からの照度は、距離の「2乗」に反比例します。つまり、距離が2倍になると照度は1/4になります。距離に単純に反比例するのは誤りです。

5. 観測者から見た照明器具の発光部の立体角が大きいほど、照明器具の不快グレアの程度を表すUGRの値は大きくなる。
→ 正しい
発光部の立体角が大きいほど、UGR(不快グレア評価値)は大きくなります。

立体角が大きいとは、「照明器具の発光部」が人間の視野の中で大きく見えるということ。
つまり、立体角が大きくなると目に入る光の量が増えてまぶしさが強くなり、UGRの値も大きくなるという仕組みです。

光と照明関連の用語まとめ

名称定義
全天空照度屋外の開放空間で、直射日光を除いた天空全体からの光(天空光)による水平面照度。
ポイント:直射日光は含まない。単位はルクス(lx)。
設計用全天空照度建築や照明設計で基準とする代表的な全天空照度の値。天候ごとに標準値が決められている。
昼光率室内のある点の昼光照度(直射日光を除く)を、同時刻の屋外の全天空照度で割った比率(パーセント)。
ポイント:昼光率(%)=(室内昼光照度 ÷ 全天空照度)× 100
直接昼光率室内のある点に入射する天空光のうち、窓から直接入る成分の昼光率。
ポイント:直射日光は含まない。
間接昼光率室内の壁や天井などに反射して入射する天空光成分の昼光率。
ポイント:室内反射率の影響を受ける。
天空光空全体(太陽以外の部分)から来る光。直射日光を除く自然光。
ポイント:曇りの日は天空光のみ、晴れの日は直射日光+天空光。
直射日光太陽から直接届く光。天空光とは区別される。
ポイント:晴天時のみ存在し、照度が非常に高い。
グローバル照度直射日光照度と天空光照度の合計。
ポイント:屋外で実際に観測される全光量。

解説動画

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