ビル管理士 2022年(R4年) 問84  過去問の解説【空気環境の調整】

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問題

振動と遮音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.固体伝搬音問題には振動が関与する。
2.対象振動が正弦波の場合、振動加速度の実効値は、加速度の最大振幅の1/√2で求められる。
3.コインシデンス効果が生じると、壁体の透過損失は減少する。
4.建物内で感じる道路交通による振動は、不規則で変動も大きい。
5.空気調和設備による振動は、間欠的かつ非周期的に発生する。

回答と解説動画

正解は(5)

1.固体伝搬音問題には振動が関与する。
→ 正しい
固体伝搬音は、振動が建物の構造体(床・壁・柱など)を伝わり、遠方で再び音として放射される現象です。振動が伝搬経路となるため、振動対策が不可欠です。ちなみに、固体伝搬音の主な対策は以下の通りです

  • 構造体を重く・剛性を高くする
    振動しにくい重い構造体にすることで、振動の伝播を抑える効果があります。
  • 防振ゴムや防振マットを使う
    振動源(洗濯機、機械、家具の脚など)と床・壁の間に防振ゴムやマットを挟むことで、振動が建物に伝わるのを抑えます。
  • カーペットや防音マットを敷く
    床にカーペットや厚みのある防音マットを敷くことで、足音や物を落としたときの衝撃を吸収し、振動の伝播を減らします。

2.対象振動が正弦波の場合、振動加速度の実効値は、加速度の最大振幅の1/√2で求められる。
→ 正しい
正弦波の実効値は、最大振幅(ピーク値)の 1/√2(約0.707倍) です。

3.コインシデンス効果が生じると、壁体の透過損失は減少する。
→ 正しい
コインシデンス効果とは、音波が壁などの板に斜めに入射し、特定の周波数で板の表面の速度と板の曲げ波の速度が一致することで、遮音効果が低下する現象です。簡単に言うと、特定の周波数で壁が共振し、音が透過しやすくなる現象です。
問題文では透過損失が減少すると言っているので、「透過しやすくなっている」と同じ意味だと取れます。

4.建物内で感じる道路交通による振動は、不規則で変動も大きい。
→ 正しい
道路交通振動は車両の走行パターンや路面状態に依存し、不規則かつ変動が大きい特性があります。

5.空気調和設備による振動は、間欠的かつ非周期的に発生する。
→ 不適当

空調設備(送風機・ポンプなど)の振動は、連続的かつ周期的に発生します。間欠的・非周期的な振動は、建設作業などで見られます。

解説動画

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