ビル管理士 2022年(R4年) 問83  過去問の解説【空気環境の調整】

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問題

音と振動に関する用語とその定義との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

1.暗騒音ある騒音環境下で、対象とする特定の音以外の音の総称
2.吸音壁などで音を遮断して、透過する音のエネルギーを小さくすること
3.騒音レベル人間の聴覚の周波数特性で補正した、騒音の大きさを表す尺度
4.音の強さ音の進行方向に対して、垂直な単位面積を単位時間に通過する音のエネルギー
5.時間率レベルあるレベル以上の振動に曝(ばく)露される時間の、観測時間内に占める割合

回答と解説動画

正解は(2)

1. 暗騒音 — ある騒音環境下で、対象とする特定の音以外の音の総称
→正しい
「暗騒音」(背景騒音)は、特定の音(例えば機械音など)を対象とする場合に、その音が無い時の環境中の音(騒音)を指します。

「暗騒音」とは、測定したい音(対象音)以外に、その場所で常に存在している環境音や雑音のことです。
例えば、エアコンの運転音を測りたい場合、外から聞こえる車の音や他の機械の音、人の話し声などが「暗騒音」にあたります。
測定方法としては、まず「対象音+暗騒音」の値を測り、次に「暗騒音だけ」の値を測って、両者の差を確認します。この差が10dB以上あれば、暗騒音の影響は非常に小さく、実質的に無視できます

2. 吸音 — 壁などで音を遮断して、透過する音のエネルギーを小さくすること
→不適当
吸音とは、音を吸収して音の反射を減らし、騒音を低減させる方法です。例えば、室内の反響を抑えたり、外部への音漏れを防いだりするために用いられます。
吸音材として、グラスウール、ロックウール、ウレタンフォームなどが使われます。
「壁などで音を遮断して、透過する音のエネルギーを小さくすること」は「遮音」の定義です。

3. 騒音レベル — 人間の聴覚の周波数特性で補正した、騒音の大きさを表す尺度
→正しい
騒音レベルは、人の聴覚特性(A特性など)で補正した騒音の大きさの尺度です。

4. 音の強さ — 音の進行方向に対して、垂直な単位面積を単位時間に通過する音のエネルギー
→正しい
音の強さは、音の進行方向に垂直な単位面積を単位時間に通過する音のエネルギーです。
ちなみに単位は[W/m2]です。(覚えておきましょう)

5. 時間率レベル — あるレベル以上の振動に曝露される時間の、観測時間内に占める割合
→正しい
騒音や振動が不規則かつ大きく変動する場合、時間率レベルが用いられます。これは測定時間のうち、あるレベル以上となる時間の割合で評価する方法で、工場騒音や建設作業騒音、振動でも同様に用いられています。

解説動画

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