ビル管理士 2022年(R4年) 問75  過去問の解説【空気環境の調整】

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問題

空気浄化装置に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.自動巻取型エアフィルタは、ろ材の更新が自動的に行えるような構造としたものである。
2.ULPAフィルタは、定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対する粒子捕集率で規定されている。
3.ろ過式フィルタの捕集原理には、遮りによる付着、慣性衝突、拡散による付着がある。
4.ガス除去用エアフィルタのガス除去容量は、ガス除去率が初期値の85%に低下するまでに捕集したガス質量で表される。
5.パネル型エアフィルタは、外気用又はプレフィルタとして用いられる。

回答と解説動画

正解は(2)

1. 自動巻取型エアフィルタは、ろ材の更新が自動的に行えるような構造としたものである。
→正しい
自動巻取型エアフィルタは、汚れたろ材をモーターで自動的に巻き取り、新しいろ材を自動で供給する構造です。タイマー式や差圧式などで自動更新が可能です。

自動巻取り型エアフィルタ(自動巻取形エアーフィルター)は、フィルタろ材をロール状に装着し、タイマーや汚れ具合で「ろ材」を自動的にモーターで巻き取り、新しい「ろ材」を送り出す機構を持つ空気清浄装置です

出典:東洋空気調和

2. ULPAフィルタは、定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対する粒子捕集率で規定されている。
→不適当
ULPA(ウルパ)フィルタは粒径0.15μmの粒子に対する捕集率で規定されています。
0.3μmの粒子で規定されているのはHEPA(へパ)フィルタです。

HEPAフィルタ

3. ろ過式フィルタの捕集原理には、遮りによる付着、慣性衝突、拡散による付着がある。
→正しい
ろ過式フィルタの粒子捕集原理には、遮り(さえぎり)効果、慣性衝突、拡散効果が含まれます。沈降や帯電効果も補助的に働きます。

4. ガス除去用エアフィルタのガス除去容量は、ガス除去率が初期値の85%に低下するまでに捕集したガス質量で表される。
→正しい
ガス除去容量は、ガス除去率が規定値(85%など)に低下するまでに捕集したガスの質量で表されます。

5. パネル型エアフィルタは、外気用又はプレフィルタとして用いられる。
→正しい
パネル型エアフィルタは、外気処理用や高性能フィルタのプレフィルタ(前処理用)として広く使われています。

プレフィルターは、主に大きな粒子(5μm以上)の塵やゴミを取り除くことで、後段のフィルター(中性能フィルターやHEPAフィルターなど)の寿命を延ばし、性能を維持する役割を担います。

下記画像はプレフィルタとして利用するパネル型のフィルタです。空気はここを通過したあとに、中性能や高性能(HEPA)フィルタでさらに微細な粒子を取り除かれます。

解説動画

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