ビル管理士 2022年(R4年) 問69  過去問の解説【空気環境の調整】

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問題

密閉型冷却塔に関する次の文章の(  )内に入る語句の組合せとして、最も適当なものはどれか。

密閉型冷却塔は、水と空気が(ア)熱交換となるため、通風抵抗と送風機動力が(イ)する。また、冷却水の散布水系統の保有水量は開放型冷却塔と比べて(ウ)。

1.間接増加多い
2.間接減少少ない
3.直接減少多い
4.直接増加少ない
5.間接増加少ない

回答と解説動画

正解は(5)

ア:間接
密閉型冷却塔は、冷却水がコイル管内を循環し、その外側で散布水と外気が接して熱交換を行うため、水と空気は間接熱交換となります。

イ:増加
コイルや散布水装置など構造が複雑なため、通風抵抗が大きくなり、送風機動力も増加します。

ウ:少ない
密閉型は散布水系統の水量が、冷却水そのものを大量に使う開放型より少ないのが特徴です。

密閉型冷却塔は、水と空気が(間接)熱交換となるため、通風抵抗と送風機動力が(増加)する。また、冷却水の散布水系統の保有水量は開放型冷却塔と比べて(少ない)。

密閉型冷却塔と開放型冷却塔の比較

以下は、開放型冷却塔(左)と密閉型冷却塔(右)の運転イメージです。
両者の一番大きな違いは、冷却水が直接外気に触れるかどうかです。開放型は冷却水が直接空気に触れて蒸発するときの気化熱により冷却水の温度を下げますが、密閉型では冷却水が配管の中を通っており、その配管に散水して冷却水の温度を下げます。
そのため、密閉型では冷却水が直接外気に触れることはありません。ただし、散水用のポンプや冷却水配管などが必要となるため、設備が大型化しやすいという特徴があります。
※画像内で、冷却水は循環水と表記されています

出典:株式会社松井製作所

その他に開放型冷却塔と密閉型冷却塔の違いについて、ビル管理士試験で重要な項目をまとめました。

項目開放型冷却塔密閉型冷却塔
冷却方式冷却水と外気が直接接触し、気化熱で冷却冷却水はコイル内を循環し、コイル外側の散布水と間接的に熱交換
保有水量多い少ない
水質管理冷却水自体が、直接外気に触れるためレジオネラ属菌対策など水質管理が重要。冷却水は外気に触れず清浄だが、散布水のレジオネラ属菌対策など水質管理が必要。
構造構造がシンプルなので設置スペースが比較的小さい。構造が複雑なので、同じ能力なら大型になりやすい。
大きな送風機動力が必要。
用途一般空調、工場、発電所など幅広い用途電算室、クリーンルーム、病院など高い水質が求められる用途

解説動画

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