ビル管理士 2022年(R4年) 問68  過去問の解説【空気環境の調整】

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問題

空気調和設備の各種熱源方式の特徴に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.コージェネレーション方式は、電力需要を主として運転することにより最も高いエネルギー利用効率が得られる。
2.ガスエンジンヒートポンプ方式は、エンジン排熱を有効利用することができるため、寒冷地における暖房熱源に適している。
3.蓄熱システムは、電力負荷平準化や熱源装置容量削減に効果がある。
4.水熱源方式のヒートポンプは、地下水や下水熱等の未利用エネルギー利用に適している。
5.地域冷暖房システムは、地域での熱源集約化や集中管理化のメリットがある。

回答と解説動画

正解は(1)

1. コージェネレーション方式は、電力需要を主として運転することにより最も高いエネルギー利用効率が得られる。
→ 不適当
コージェネレーション方式(熱電併給)は、発電時の排熱も有効活用することでエネルギー効率を最大化するシステムです。
最も効率が高くなるのは「発電した電力」と「発生した排熱」の両方を無駄なく利用する場合です。
電力需要だけを主目的に運転し、排熱が十分に利用されない場合は、総合効率は下がります。

コージェネレーションシステムイメージ
出典:札幌市

2. ガスエンジンヒートポンプ方式は、エンジン排熱を有効利用することができるため、寒冷地における暖房熱源に適している。
→ 正しい
ガスエンジンヒートポンプ(GHP)は、エンジン排熱を暖房に利用できるため、外気温が低い寒冷地でも安定した暖房能力を発揮します。

3. 蓄熱システムは、電力負荷平準化や熱源装置容量削減に効果がある。
→ 正しい
蓄熱システムは、夜間などに作った熱を貯めておき、昼間のピーク時に利用することで電力負荷の平準化や熱源設備の小型化が可能です。

蓄熱層
出典:鹿島建設

蓄熱システムに必要な蓄熱層については令和2年問66で解説しています。

4. 水熱源方式のヒートポンプは、地下水や下水熱等の未利用エネルギー利用に適している。
→ 正しい
水熱源ヒートポンプとは、地下水や河川水などの水と熱交換を行い、その熱エネルギーを冷暖房や給湯に利用するシステムです。

以下の画像は、空気熱源ヒートポンプと水熱源ヒートポンプのイメージです。(中央に地中熱とあるのは気にしないでください)
空気熱源ヒートポンプは外気と熱交換を行いますが、水熱源ヒートポンプは地下や河川から汲み上げた水と熱交換を行います。

出典:川田工業

5. 地域冷暖房システムは、地域での熱源集約化や集中管理化のメリットがある。
→ 正しい
地域冷暖房は、熱源設備を集中管理し、効率的にエネルギーを供給できるシステムです。

地域冷暖システムについては令和6年問64参照

解説動画

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