問題
冷凍機の冷媒に関する次の記述のうち、最も不適当なものは次のうちどれか。
1. | CFC(クロロフルオロカーボン)は、オゾン層破壊の問題から全面的に製造禁止とされた。 |
2. | HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)は、オゾン破壊係数(ODP)は小さいが、全廃へ向けて生産量の段階的な削減が行われている。 |
3. | HFC(ハイドロフルオロカーボン)は、オゾン破壊係数(ODP)が1である。 |
4. | HFC(ハイドロフルオロカーボン)は、温室効果ガスの一種に指定され、使用量に対する制限が課せられている。 |
5. | 自然冷媒のアンモニアは、地球温暖化係数(GWP)が1より小さい。 |
回答と解説動画
正解は(3)
1. CFC(クロロフルオロカーボン)は、オゾン層破壊の問題から全面的に製造禁止とされた。
→ 正しい
CFCはオゾン層破壊の原因となるため、モントリオール議定書により全世界的に製造・使用が禁止されています。
2. HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)は、オゾン破壊係数(ODP)は小さいが、全廃へ向けて生産量の段階的な削減が行われている。
→ 正しい
HCFCはODPがCFCより小さいですが、段階的に生産・消費が削減され、最終的に全廃予定です。
3. HFC(ハイドロフルオロカーボン)は、オゾン破壊係数(ODP)が1である。
→ 不適当
HFCは塩素を含まないため、ODPは0です。CFCのODPが1です。HFCはオゾン層を破壊しませんが、温室効果ガスとしての規制対象です。
4. HFC(ハイドロフルオロカーボン)は、温室効果ガスの一種に指定され、使用量に対する制限が課せられている。
→ 正しい
HFCは温室効果ガスとして国際的な規制(キガリ改正など)が進んでいます。
5. 自然冷媒のアンモニアは、地球温暖化係数(GWP)が1より小さい。
→ 正しい
アンモニア(R717)はGWP=0で、地球温暖化への影響が非常に小さいです。
各種冷媒の特徴まとめ
冷媒名 | ODP(オゾン破壊係数) | GWP(地球温暖化係数) | 備考・用途例 |
---|---|---|---|
R11 (CFC) (特定フロン) | 1.0 | 約4,600 | 旧型冷凍機・エアコン、製造中止 |
R22 (HCFC) (指定フロン) | 0.055 | 約1,700 | 一部業務用エアコン、段階的廃止中 |
R123 (HCFC) (指定フロン) | 0.02 | 約93 | ターボ冷凍機など、段階的廃止中 |
R32 (HFC) (代替フロン) | 0 | 約675 | 新型エアコン、GWP低め |
R717 (NH₃) (自然冷媒) | 0 | <1 | アンモニア、業務用大型冷凍機 |
R744 (CO₂) (自然冷媒) | 0 | 1 | 二酸化炭素、ヒートポンプ給湯器等 |
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