問題
換気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 混合方式は、室内に供給する清浄空気と室内空気を十分に混合・希釈する方式である。 |
2. | 一方向方式は、清浄空気をピストンのように一方向の流れとなるように室内に供給し、排気口へ押し出す方式である。 |
3. | 第2種換気は、自然給気口と機械排気による換気である。 |
4. | 局所換気は、汚染物質が発生する場所を局所的に換気する方法である。 |
5. | 機械換気は、自然換気に比べて適切な換気を計画することが容易である。 |
回答と解説動画
正解は(3)
1.混合方式は、室内に供給する清浄空気と室内空気を十分に混合・希釈する方式である。
→正しい
混合方式は、室内に新鮮な空気を供給し、室内空気としっかり混ぜて希釈することで、室内全体の空気質を均一に保つ方法です。事務所や教室など一般的な空間で広く使われています。
2.一方向方式は、清浄空気をピストンのように一方向の流れとなるように室内に供給し、排気口へ押し出す方式である。
→正しい
一方向方式(整流方式・置換換気方式)は、清浄空気をピストンのように一方向に流し、室内の汚染空気を拡散させずに排気口へ押し出す方式です。クリーンルームや手術室など高い清浄度が求められる空間で採用されます。
3.第2種換気は、自然給気口と機械排気による換気である。
→不適当
第2種換気は「機械給気+自然排気」の方式です。つまり、機械で新鮮な空気を強制的に室内に送り込み、排気は自然換気で行います。自然給気+機械排気は「第3種換気」の説明です。
4.局所換気は、汚染物質が発生する場所を局所的に換気する方法である。
→正しい
局所換気は、キッチンやトイレ、浴室、工場の作業場など、汚染物質が発生する場所をピンポイントで換気する方法です。効率的に有害物質や臭気を排出できます。
5.機械換気は、自然換気に比べて適切な換気を計画することが容易である。
→正しい
機械換気はファンや換気扇などの機械を使って強制的に換気するため、換気量や換気経路を計画的・安定的に管理しやすいです。自然換気は外気の条件に左右されやすく、計画的な換気が難しい場合があります。
機械換気の補足
1.第1種換気方式:給気(外気を取り込む)と排気(室内の空気を排出)の両方を機械で行う方式です。
- メリット:給排気とも機械で制御するため、換気量・換気経路が安定し、計画通りの換気が可能です。気密性に左右されにくく、全熱交換型などでは温度・湿度のロスも抑えられます。
- デメリット:給気・排気の両方に機械が必要なため、導入コスト・運用コストが高くなる点です。
2.第2種換気方式:給気のみを機械で行い、排気は自然に任せる方式です。
- メリット:室内が正圧になり、外部からの汚染物質や粉じんの侵入を防ぎやすいため、クリーンルームや病院などで使われます。
- デメリット:住宅では使われることが少なく、気密性が低いと内部結露などの問題が起こりやすいです。
3.第3種換気方式:給気は自然に、排気のみを機械で行う方式です。
- メリット:設置費用・運用コストが安く、メンテナンスも容易なため、一般住宅やトイレ・キッチンなどで広く採用されています。
- デメリット:給気を自然に頼るため、気密性が低い建物では計画通りの換気ができない場合があります。
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