ビル管理士 2022年(R4年) 問53  過去問の解説【空気環境の調整】

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問題

建築物環境衛生管理基準及びそれに関連する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.建築物衛生法による気流の管理基準値は、0.5m/s以下である。
2.空気環境管理項目の中で、気流は不適率が高い項目の一つである。
3.極端な低気流状態は好ましくなく、ある程度の気流は確保すべきである。
4.冷房期における節電対策などで、居室内に扇風機を設置することで、局所的に気流の基準値を超えることがある。
5.気流の改善方法に、間仕切りの設置や吹出口風量のバランス調整がある。

回答と解説動画

正解は(2)

1.建築物衛生法による気流の管理基準値は、0.5(m/s)以下である。
→ 正しい
建築物環境衛生管理基準(ビル管理法)では、居室内の気流(風速)は0.5(m/s)以下と規定されています。

2.空気環境管理項目の中で、気流は不適率が高い項目の一つである。
→ 不適当
気流は、空気環境管理項目(温度、湿度、CO₂濃度、一酸化炭素濃度、浮遊粉じんなど)の中でも、最も不適率が低い項目です。
東京都のデータでも、気流基準(0.5(m/s)以下)を超える事例は1%前後となっています。
逆に不適率が高い項目は相対湿度や二酸化炭素濃度で、こちらは10~30%程度と高めです。

3.極端な低気流状態は好ましくなく、ある程度の気流は確保すべきである。
→ 正しい
基準値は「上限(0.5(m/s)以下)」のみですが、気流がほぼゼロに近いと、室内の空気がよどみやすくなり、温度やCO₂濃度のムラが発生しやすくなります。

4.冷房期における節電対策などで、居室内に扇風機を設置することで、局所的に気流の基準値を超えることがある。
→ 正しい
夏場に冷房温度を高めに設定し、扇風機やサーキュレーターを併用することで体感温度を下げる節電対策が広く行われています。この場合、扇風機の風が直接当たる位置では、0.5(m/s)を超える気流が発生しやすいです。

5.気流の改善方法に、間仕切りの設置や吹出口風量のバランス調整がある。
→ 正しい
気流分布の偏りやドラフト感を改善するためには、間仕切り(パーティション)の設置や、空調機の吹出口の風量バランスを調整することが有効です。例えば、オフィスで座席ごとに風の当たり方が大きく異なる場合、間仕切りや吹出口の向きを調整することで、快適性を高めることができます。

解説動画

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