ビル管理士 2022年(R4年) 問46  過去問の解説【空気環境の調整】

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問題

熱移動に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.中空層の熱抵抗は、一定の厚さ(2~5cm)までは厚さが増すにつれて増大するが、それ以上ではほぼ一定となる。
2.固体内の熱流は、局所的な温度勾配に熱伝導率を乗じて求められる。
3.密度が大きい材料ほど、一般に熱伝導率は小さくなる。
4.同一材料でも、一般に熱伝導率は温度によって異なる。
5.同一材料でも、一般に内部に湿気を多く含むほど熱伝導率は大きくなる。

回答と解説動画

正解は(3)

1.中空層の熱抵抗は、一定の厚さ(2~5cm)までは厚さが増すにつれて増大するが、それ以上ではほぼ一定となる。
→ 正しい
壁や窓の中空層(空気層)は、厚さが増すほど最初は断熱効果が高まります。これは空気自体の熱伝導率が非常に小さいためです。
しかし、厚さが2~5cmを超えると、層内で自然対流が発生しやすくなり、熱が空気の流れによって運ばれるようになるため、断熱効果はこれ以上変化しなくなります。

2.固体内の熱流は、局所的な温度勾配に熱伝導率を乗じて求められる。
→ 正しい
熱流は「熱伝導率」×「温度勾配」で求めます。

3.密度が大きい材料ほど、一般に熱伝導率は小さくなる。
→ 不適当(正解)
一般的に密度が大きい材料(金属や石など)は熱伝導率が大きいです。分子や原子が密集していることで、熱の振動が効率よく伝わるためです。
例えば、金属(アルミや銅)は密度も熱伝導率も高く、逆にグラスウールや発泡スチロールなどの断熱材は密度も熱伝導率も低いです。

4.同一材料でも、一般に熱伝導率は温度によって異なる。
→ 正しい
熱伝導率は温度の影響を受けます。例えば、金属は温度が上がると熱伝導率がやや下がり、ガラスやセラミックスは温度が上がると熱伝導率が上がる場合があります。

5.同一材料でも、一般に内部に湿気を多く含むほど熱伝導率は大きくなる。
→ 正しい
水は空気よりも熱伝導率が高いため、材料が湿っていると熱が伝わりやすくなります。
例えば、グラスウールや木材などの多孔質材料は、乾燥していれば断熱性が高いですが、湿気を含むと断熱性が大きく低下します。

解説動画

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