ビル管理士 2022年(R4年) 問30  過去問の解説【建築物の環境衛生】

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問題

アスベストに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.自然界に存在する繊維状の水和化したケイ酸塩鉱物の総称である。
2.健康障害はアスベスト製品製造工場の従業員に限られていない。
3.肺がんに対して喫煙との相乗作用が疫学的に示唆されている。
4.労働安全衛生法、大気汚染防止法、建築基準法等により法規制が設けられている。
5.現在、試験研究を除き使用禁止であり、現存の建築物には残っていない。

回答と解説動画

正解は(5)

1.自然界に存在する繊維状の水和化したケイ酸塩鉱物の総称である。
→正しいです。
アスベストは、天然に産する繊維状の水和ケイ酸塩鉱物の総称です。耐熱性や耐薬品性、絶縁性に優れ、かつては建材などに広く使われていました。

2.健康障害はアスベスト製品製造工場の従業員に限られていない。
→正しいです。
アスベストによる健康障害は、工場従業員だけでなく、建築物の解体作業者やその周囲の住民など、環境ばく露による被害も報告されており、広く社会問題となっています。

アスベストが原因の健康被害:アスベスト肺(じん肺)、肺がん、悪性中皮腫

3.肺がんに対して喫煙との相乗作用が疫学的に示唆されている。
→正しいです。
アスベスト曝露と喫煙は、肺がん発症リスクを相乗的に高めることが、多くの疫学研究で示されています。両者のリスクは単純な足し算以上に高まることが知られています。

4.労働安全衛生法、大気汚染防止法、建築基準法等により法規制が設けられている。
→正しいです。
アスベストは健康被害防止のため、労働安全衛生法・大気汚染防止法・建築基準法・廃棄物処理法など、複数の法律で厳しく規制されています。

5.現在、試験研究を除き使用禁止であり、現存の建築物には残っていない。
不適当です。
アスベストは2006年に全面使用禁止となりましたが、それ以前に建てられた建築物には、今もアスベストを含む建材が多く残っています。現存建築物にアスベストが「残っていない」というのは誤りです。
解体・改修工事の際には、アスベストの有無を調査し、適切な処理が義務付けられています。

ヘタ・レイ

私が管理しているビルにも配管の保温材などにアスベストが含有しています・・。

解説動画

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