問題
建築物衛生法に基づく特定建築物内のねずみ・昆虫等の防除に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | トラップによる生息状況調査により複数の害虫種が捕集された場合、それぞれの種類の生息密度が「許容水準」に該当する場合でも「警戒水準」にあると判断する。 | ||
2. | ねずみ・昆虫等に対する不快感も、健康被害の一つである。 | ||
3. | 調査では、発生状況や被害状況に関する聞き取り調査を重点的に実施する。 | ||
4. | 防除は、ベクターコントロールとニューサンスコントロールという二つの異なる側面をもつ。 | ||
5. | 建築物における維持管理マニュアルのIPM実施モデルに示す水準値は、現場の使用用途などの状況に応じた個別水準値を設定することも可能である。 |
回答と解説動画
正解は(3)
1.トラップによる生息状況調査により複数の害虫種が捕集された場合、それぞれの種類の生息密度が「許容水準」に該当する場合でも「警戒水準」にあると判断する。
→正しい
複数種が同時に捕集された場合、たとえそれぞれが許容水準であっても、総合的なリスク判断により警戒水準と見なされることがあります。
目標水準については、以下のとおりです。
- 許容水準:環境衛生上良好な状態であり、定期的な調査を継続すればよい状況
- 警戒水準:放置すると今後、問題になる可能性がある状況
- 措置水準:すぐに防除作業が必要な状況
2.ねずみ・昆虫等に対する不快感も、健康被害の一つである。
→正しい
建築物衛生法では、ねずみ・昆虫等による不快感も、健康の保持に影響を与える要因とされています。
3.調査では、発生状況や被害状況に関する聞き取り調査を重点的に実施する。
→不適当
聞き取りも重要ですが、トラップ調査などによる生息状況の把握が基本であり、聞き取りに重点を置くのは不適切です。
4.防除は、ベクターコントロールとニューサンスコントロールという二つの異なる側面をもつ。
→正しい
ペストコントロール(有害な生物全般に対する防除)には、ベクターコントロールとニューサンスコントロールの2つの側面があります。
- ペストコントロール :害虫やネズミなど有害な生物全般に対する防除。ニューサンスコントロールとベクターコントロールを含む
- ニューサンスコントロール:不快害虫による被害を軽減するための対策全般
- ベクターコントロール:感染症を媒介する動物(ねずみ、蚊など)を駆除し、感染症の拡大を防ぐ対策
5.建築物における維持管理マニュアルのIPM実施モデルに示す水準値は、現場の使用用途などの状況に応じた個別水準値を設定することも可能である。
→正しい
IPM(総合的有害生物管理)では、建物の用途や特性(食品を取り扱う場所、事務作業をする場所など)に応じて柔軟に水準値を設定することが求められます。
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