ビル管理士 2022年(R4年) 問124  過去問の解説【給水及び排水の管理】

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問題

雑用水設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.広域循環方式は、公共下水処理場の処理水を排水再利用設備で処理し、一般に、大規模な地区に送水して利用するものである。
2.排水再利用水及び雨水等を原水とする雑用水受水槽は、上水の補給装置を設ける。
3.竣工時に雑用水を着色して通水試験を行い、上水系の器具に着色水が出ないことを確認する。
4.配管にスライムが発生した場合は、雑用水の残留塩素濃度を高めて洗浄する。
5.雨水利用設備における雨水利用率とは、使用水量に対する雨水利用量の割合である。

回答と解説動画

正解は(5)

雑用水(ざつようすい)とは、主にトイレの洗浄水や散水、清掃などに使われる、飲用以外の目的で使用される水のことです。上水道(飲料水)とは区別され、下水や雨水などを再生処理して利用されることが多いです。

1.広域循環方式は、公共下水処理場の処理水を排水再利用設備で処理し、一般に、大規模な地区に送水して利用するものである。
→正しい
広域循環方式は、下水処理場の処理水をさらに高度処理し、複数の建物や広い地域で再利用する方式です。大規模な地区に送水して利用します。地区循環と個別循環もあるので、これらの特徴も覚えておきましょう。

  • 広域循環方式
    下水処理場で処理された再生水を、広範囲の地域に供給する方式
    水は一度下水道へ排水されてから再利用されるため、下水道への排水量に大きな変化はない
  • 地区循環方式
    複数の建物や地区内の排水をまとめて処理し、再生水を地区内で再利用する方式
    個別循環方式より広い範囲で排水の再利用を行う
  • 個別循環方式
    建物内で発生する排水や雨水を、その建物内で処理し再利用する方式
    排水を建物内で再利用するため、下水道への排水量を減らすことができる

2.排水再利用水及び雨水等を原水とする雑用水受水槽は、上水の補給装置を設ける。
→正しい
雑用水受水槽には、雨水や再利用水の不足時に備えて、上水(飲料水)の補給装置を設けるのが一般的です。

3.竣工時に雑用水を着色して通水試験を行い、上水系の器具に着色水が出ないことを確認する。
→正しい
雑用水と上水の誤接続や逆流を防ぐため、着色水による通水試験を行い、上水側に着色水が出ないことを確認します。

4.配管にスライムが発生した場合は、雑用水の残留塩素濃度を高めて洗浄する。
→正しい
スライム(微生物や有機物の付着物)が発生した場合、残留塩素濃度を一時的に高めて配管内を洗浄する方法がとられます。

5.雨水利用設備における雨水利用率とは、使用水量に対する雨水利用量の割合である。
→不適当
雨水利用率は「雨水の集水量に対する実際の雨水利用量の割合」を指します。
「使用水量に対する雨水利用量の割合」は「上水代替率」と呼ばれ、定義が異なります。

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