ビル管理士 2022年(R4年) 問123  過去問の解説【給水及び排水の管理】

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問題

給湯設備の配管に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.業務用厨(ちゅう)房など、連続的に湯を使用する給湯枝管には返湯管を設けない。
2.ベローズ形伸縮管継手は、スリーブ形伸縮管継手と比較して伸縮吸収量が大きい。
3.給湯量を均等に循環させるため、返湯量を調節する必要がある。
4.給湯管の管径は、ピーク時の湯の流量に基づき決定する。
5.逃し弁には、加熱時に膨張した湯を逃がすための排水管を設ける。

回答と解説動画

正解は(2)

1.業務用厨房など、連続的に湯を使用する給湯枝管には返湯管を設けない。
→正しい
業務用厨房のように、ほぼ絶え間なくお湯を使用する場所では、配管内の湯が常に流動しているため、湯が冷めてしまう心配が少なくなります。このため、給湯枝管に返湯管(循環管)を設ける必要がない場合が多いです。返湯管は、湯の使用頻度が低い場所や、長い配管でお湯が冷めやすい場合に、常にお湯が循環するようにして「湯が出るまで待機時間」を無くすために設けます。

2.ベローズ形伸縮管継手は、スリーブ形伸縮管継手と比較して伸縮吸収量が大きい。
→不適当
スリーブ形伸縮管継手のほうが伸縮吸収量が大きいです。以下の数値は暗記。

  • ベローズ型金属蛇腹で軸方向の伸縮や振動吸収に優れる。ベローズが一つのものを単式、二つのものを複式という。最大伸縮量は、単式で35㎜、複式で70㎜程度。
  • スリーブ型スリーブがパッキン部を滑ることで大きな伸縮量を確保。最大伸縮量は200mm程度。

下の画像を見ればわかりますが、スリーブ型は二つの配管が重なっているイメージなので伸縮幅が大きいです。

ベローズ型
出典:オクダソカベ
スリーブ型
出典:ベン

3.給湯量を均等に循環させるため、返湯量を調節する必要がある。
→正しい
給湯量を均等に循環させるためには、返湯量を調節する必要があります。具体的には、返湯管に定流量弁を設けて、各配管への給湯量を均等にします。

4.給湯管の管径は、ピーク時の湯の流量に基づき決定する。
→正しい
給湯管の管径は、建物全体や系統ごとの最大使用時(ピーク時)の流量をもとに決定します。これにより、使用者が同時にお湯を使っても十分な流量と圧力が確保できるように設計されます。

5.逃し弁には、加熱時に膨張した湯を逃がすための排水管を設ける。
→正しい
給湯設備では、水が加熱されると体積が膨張し、圧力が上昇します。これを安全に逃がすための装置が逃し弁であり、排出されたお湯や蒸気を安全に排水するための排水管が必要です。これがないと、漏水や火傷などの事故につながる恐れがあります。

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