問題
給湯設備における加熱装置とその説明との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
1. | ガスマルチ式給湯機:小型のガス瞬間湯沸器を複数台連結したもので、主に業務用に利用される。 | ||
2. | 汽水混合装置:タンク内に挿入し、蒸気を直接、水に吹き込むことで温水を得るための装置。 | ||
3. | 貯蔵式湯沸器:貯蔵部が大気に開放されており、本体に取り付けられた給湯栓から飲用に適した高温湯が得られる。 | ||
4. | ヒートポンプ給湯機:一体型の集熱器と貯湯槽で構成され、その間で水を自然循環させ加温する。 | ||
5. | 給湯用貫流ボイラ:温水を取り出す小型ボイラで、水管群により構成され耐圧性に優れている。 |
回答と解説動画
正解は(4)
1.ガスマルチ式給湯機:小型のガス瞬間湯沸器を複数台連結したもので、主に業務用に利用される。
→正しい
ガスマルチ式給湯機は、小型のガス瞬間湯沸器を複数台連結して制御し、大量の給湯需要に対応する業務用システムとして広く利用されています。(下図参照)
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2.汽水混合装置:タンク内に挿入し、蒸気を直接、水に吹き込むことで温水を得るための装置。
→正しい
汽水混合装置とは、蒸気を直接水に吹き込んで温水をつくる装置です。
仕組みとしては、配管の一方から蒸気を、もう一方から水を供給し、内部で両者を直接混合することで、水を加熱します。(下図参照)

3.貯蔵式湯沸器:貯蔵部が大気に開放されており、本体に取り付けられた給湯栓から飲用に適した高温湯が得られる。
→正しい
貯湯式湯沸器は、内部のタンクにあらかじめお湯を貯めておくタイプの装置で、給湯栓を開けることで飲用にも適したお湯をすぐに得ることができます(下図左側)。
一方、瞬間式湯沸器(下図右側)はタンクを持たず、水が通過する瞬間に強い熱を加えて加熱する仕組みです。お湯を貯めておく能力はなく、使いたいときにその都度加熱します。
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出典:イトミック
なお、問題文では大気に開放されているとありますが、一般的にタンクの上部には蓋がついています。ただし、あくまでホコリなどから水が汚染されるのを防止することが目的で、圧力容器のように完全に密閉されているわけではありません。
4.ヒートポンプ給湯機:一体型の集熱器と貯湯槽で構成され、その間で水を自然循環させ加温する。
→不適当
ヒートポンプ給湯機とは、空気中の熱を利用して効率よくお湯を沸かす給湯器のことです。エアコンの室外機のようなヒートポンプユニットと、お湯を貯めておく貯湯タンクユニットで構成されています。
問題文にあるような「一体型の集熱器と貯湯槽で構成され、その間で水を自然循環させ加温する」という説明は、太陽利用温水器の仕組みに近く、ヒートポンプ給湯機の説明としては不適切です。

出典:Panasonic

5.給湯用貫流ボイラ:温水を取り出す小型ボイラで、水管群により構成され耐圧性に優れている。
→正しい
給湯用貫流ボイラは、水管群で構成されており、耐圧性に優れた小型ボイラです。

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