ビル管理士 2022年(R4年) 問101  過去問の解説【建築物の構造概論】

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問題

消火設備と設置場所との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

1.不活性ガス消火設備  事務室
2.連結散水設備   地下街
3.泡消火設備  地下駐車場
4.水道連結型スプリンクラ設備 小規模社会福祉施設
5.ハロゲン化物消火設備  通信機器室

回答と解説動画

正解は(1)

1.不活性ガス消火設備   事務室
→不適当
不活性ガス消火設備は、消火剤として窒素・アルゴン・二酸化炭素などのガスを使用する方式で、消火後の汚損が非常に少ないことが最大の特長です。水や粉末を使用しないため、精密機器や貴重品がある空間でも安全に使用できます。

このため、以下のような水や粉末の使用による被害を避けたい場所に設置されます。

  • 電気室
  • 通信機器室
  • サーバールーム
  • 美術品・文化財の保管庫

一方、事務室・会議室・店舗などの一般執務空間では、スプリンクラー設備(水消火)が一般的です。これは広い範囲を対象にしやすく、設備コストや維持管理も比較的容易なためです。

以下の画像は、不活性ガス消火設備のイメージです。(仕組みなどは覚えなくてもいいですが、どんな感じの設備なのかは把握しておいてください。)

出典:ヤマトプロテック

2.連結散水設備    地下街
→正しい
連結散水設備は、地下街や地下階など、火災時に煙や熱で消防活動が困難になる場所で、消防隊の消火活動を支援するための設備です。消防ポンプ車から送水口を通じて水を送り、散水ヘッドから放水することで、初期消火や延焼防止に役立ちます。
以下の画像は送水口です。このキャップを外してポンプ車から水を送ります。

3.泡消火設備   地下駐車場
→正しい
地下駐車場における泡消火設備は、主に火災時の延焼防止や消火活動を目的として設置されます。特に、油火災のリスクが高い自動車の修理工場や整備工場、立体駐車場、機械式駐車場などで設置が推奨されます。
以下の画像は、泡消火設備のイメージです。(仕組みなどは覚えなくてもいいですが、どんな感じの設備なのかは把握しておいてください)

出典:能美防災

4.水道連結型スプリンクラ設備  小規模社会福祉施設
→正しい
水道連結型スプリンクラー設備とは、上水道を水源とし、特定施設に設置されるスプリンクラー設備の一種です。小規模な社会福祉施設などで、一定の条件を満たせば設置が認められます。
スプリンクラーポンプや専用の消火水槽などが不要なところが大きな特徴です。つまり、水道局からの水圧頼みってことです。

5.ハロゲン化物消火設備   通信機器室
→正しい
ハロゲン化物消火設備は、通信機器室のような精密機器を扱う場所に適した消火設備です。ハロゲン化物消火剤を噴射し、燃焼反応を抑制することで消火します。特に、精密機器への影響が少ないため、データセンターやサーバー室などで利用されています。

解説動画

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