ビル管理士 2021年(R3年) 問70  過去問の解説【空気環境の調整】

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問題

加湿装置の種類と加湿方式の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

1.滴下式  気化方式
2.電極式  蒸気方式
3.パン型 蒸気方式
4.遠心式 水噴霧方式
5.超音波式気化方式

⇒偏差値43の高卒でも電験三種やビル管理士に一発合格できた資格の勉強で大事なこと7選

回答と解説動画

正解は(5)

1. 滴下式 気化方式
→正しい
滴下式は、加湿材に水を滴下し、そこに空気を通すことで水分を蒸発(気化)させて加湿します。空気が加湿材の表面を通過することで自然蒸発し、室内の湿度が上がります。

2. 電極式 蒸気方式
→正しい
電極式は、水槽内の水(水道水など)に電極を挿入し、電流を流して水自体を発熱させて沸騰させ、発生した蒸気で加湿する方式です。蒸気方式は、加熱による加湿なので、吹出空気の温度が下がらず、蒸発した水は無菌なので衛生的な加湿ができます。

3. パン型 蒸気方式
→正しい
パン型は、浅いパン(皿)状の容器に水を入れ、電熱ヒーターなどで直接加熱して蒸気を発生させる方式です。

4. 遠心式 水噴霧方式
→正しい
遠心式は、回転するディスクやドラムに水を供給し、遠心力で水滴を飛ばして微細な霧(ミスト)を発生させます。

5. 超音波式 気化方式
→不適当(これが正解)
超音波式は、超音波振動子で水面を振動させて非常に細かい水滴(ミスト)を発生させ、空気中に放出する方式で「水噴霧方式」に分類されます。

加湿装置まとめ

方式

共通する特徴

加湿装置の種類

気化方式

  • 温度が下降する
  • 水の中の不純物を放出しない
  • 滴下式
    加湿材に水を滴下し、空気を通して水分を蒸発させて加湿。
    加湿材の寿命は5,000~10,000時間。
  • 透湿膜式
    透湿膜に水を流し、膜を通して水蒸気を放出し加湿。
    膜の寿命は3,000~7,000時間。
  • 回転式
    加湿材を回転させ、水槽でぬらして通風気化。
  • 毛細管式
    毛細管現象で加湿材をぬらして通風気化。
  • エアワッシャ式
    多量の水を空気と接触させて気化。

蒸気方式

  • 温度が下降しない
  • 無菌
  • 水の中の不純物を放出しない
  • 電極式
    水槽内の水に電極を挿入し、電流を流して水自体を発熱させ、蒸気を発生させる。
    水道水など不純物を含む水を使う。(純水は電気を通さないため)
    電極の寿命は2,000~5,000時間
  • 電熱式
    電熱ヒーターでタンク内の水を直接加熱し、蒸気を発生させる。
    ヒーターの寿命は10,000~20,000時間
  • パン型
    浅いパン(皿)状の容器に水を入れ、電熱ヒーターなどで加熱して蒸気を発生させる。
  • 赤外線式
    赤外線ランプで水を加熱し、蒸気を発生させる。

水噴霧方式

  • 温度が下降する
  • 水の中の不純物を放出する
  • 遠心式
    水を高速回転するディスクやドラムで遠心力を使って霧状にし、空気中に噴霧して加湿する。
    軸受の寿命は2,000~30,000時間
  • 超音波式
    超音波振動子で水を微細なミスト(霧)にして空気中に噴霧する。
    振動子の寿命は5,000~10,000時間
  • 2流体スプレー式
    圧縮空気と水を同時にノズルから噴霧し、さらに微細な霧を作る。
  • 高圧スプレー式
    高圧ポンプで加圧した水をノズルから噴霧し、空気中に加湿する。

解説動画

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