ビル管理士 2021年(R3年) 問25  過去問の解説【建築物の環境衛生】

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問題

温熱環境と体熱平衡に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.対流による熱放散は、流体の流れに伴う熱エネルギーの移動現象である。
2.蒸発による熱放散は、水分が皮膚から気化するときに皮膚表面から潜熱を奪う現象である。
3.高温環境下においては、人体の熱産生量は低下する。
4.人体側の温熱環境要素は、代謝量と着衣量である。
5.伝導による熱放散は、体と直接接触する物体との間の熱エネルギーの移動現象である。

回答と解説動画

正解は(3)

1.対流による熱放散は、流体の流れに伴う熱エネルギーの移動現象である。
→ 正しい
対流は空気や水などの流れによって熱が移動する現象です。風や水流によって体表面から熱が奪われるのが対流による熱放散です。

2.蒸発による熱放散は、水分が皮膚から気化するときに皮膚表面から潜熱を奪う現象である。
→ 正しい
汗が蒸発する際、皮膚表面から熱(潜熱)が奪われ、体温を下げる効果があります。

3.高温環境下においては、人体の熱産生量は低下する。
→ 不適当
高温環境下でも、人体の基礎代謝による熱産生量は基本的に大きく変わりません。むしろ暑さによるストレスや体温調節のための生理反応で熱産生が増加する場合もあります。高温環境下で体温を維持するためには、主に放熱(特に発汗による蒸発)で調整します。

4.人体側の温熱環境要素は、代謝量と着衣量である。
→ 正しい
温熱環境の人体側要素は、代謝量(活動量)と着衣量です。環境側要素は気温・湿度・気流・放射などです。

5.伝導による熱放散は、体と直接接触する物体との間の熱エネルギーの移動現象である。
→ 正しい
伝導は、体が椅子や床などと直接接触したときに、温度差により熱が移動する現象です。冷たい石の上に座ると体温が奪われるのは伝導による熱放散です。

解説動画

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