問題
体温調節に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 寒冷環境では、温暖環境に比較して、体内と身体表層部との温度差が小さくなる。 | ||
2. | 平均皮膚温の算出式であるHardy-DuBoisの7点法で、皮膚温の重みづけが一番大きいのは腹である。 | ||
3. | 冷房や扇風機の利用は、行動性体温調節である。 | ||
4. | 熱放散は、対流、放射、伝導、蒸発の物理的過程からなる。 | ||
5. | 核心温は、身体表面の温度に比べて、外気温の影響を受けにくい。 |
回答と解説動画
正解は(1)
1. 寒冷環境では、温暖環境に比較して、体内と身体表層部との温度差が小さくなる。
→不適当
寒冷環境では、体の深部(核心部)の温度を守るために、皮膚や四肢の血管が収縮します。
これにより、体表面の温度が下がり、深部体温との差が大きくなります。
たとえば、冬の屋外で手足が冷たくなるのは、体の中心部の熱を逃がさないために血流が減り、表面温度が下がるからです。
逆に、温暖環境では血管が拡張して体表面の温度が上がり、深部体温との温度差が小さくなります。
2. 平均皮膚温の算出式であるHardy-DuBoisの7点法で、皮膚温の重みづけが一番大きいのは腹である。
→正しい
Hardy-DuBoisの7点法は、体の7か所(額、胸、腹、上腕、大腿、下腿、手)で測定した皮膚温にそれぞれ重みをつけて、全身の平均皮膚温を算出する方法です。
この中で腹部の重み(0.175)が最も大きいとされています。
これは、腹部が体表面積に占める割合が大きく、体温調節の観点から重要な部位だからです。
3. 冷房や扇風機の利用は、行動性体温調節である。
→正しい
体温調節には「自律性体温調節」と「行動性体温調節」があります。
- 自律性体温調節:発汗や血管の拡張・収縮など、無意識に起こる生理的反応
- 行動性体温調節:衣服の着脱や冷房・扇風機の利用、日陰に入るなど、意識的な行動
冷房や扇風機を使うのは、まさに「行動性体温調節」の代表例です。
4. 熱放散は、対流、放射、伝導、蒸発の物理的過程からなる。
→正しい
ヒトの体は、余分な熱を「対流(空気の流れ)」「放射(赤外線放出)」「伝導(接触物への熱移動)」「蒸発(汗の気化)」の4つの物理的過程で外部に放散します。
- 対流:風を受けると涼しく感じるのはこれ
- 放射:体から赤外線として熱が放出される
- 伝導:冷たいものに触れると熱が奪われる
- 蒸発:汗が蒸発することで体温が下がる
5. 核心温は、身体表面の温度に比べて、外気温の影響を受けにくい。
→正しい
核心温(深部体温)は、脳・心臓・肝臓など体の中心部の温度で、通常は37℃前後に保たれています。
外気温が極端に変化しても、体温調節機構(自律神経やホルモン)が働き、核心温はほぼ一定に保たれます。
一方、体表面温度は外気温の影響を強く受け、大きく変動します。
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