問題
衛生害虫の防除等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 作用機構の異なる殺虫剤のローテーション処理を行うことによって、殺虫剤抵抗性の発達を抑えることができる。 | ||
2. | ニューサンスコントロールとは、感染症を媒介する衛生動物の防除を指す。 | ||
3. | 吸血昆虫の中には、幼虫、成虫、雌、雄ともに吸血する種類がある。 | ||
4. | 昆虫等に対する不快感は、主観的なものである。 | ||
5. | 昆虫成長制御剤(IGR)で処理しても、成虫密度が速やかに低下することはない。 |
回答と解説動画
正解は(2)
1.作用機構の異なる殺虫剤のローテーション処理を行うことによって、殺虫剤抵抗性の発達を抑えることができる。
→正しい
殺虫剤の作用機構が異なる薬剤を順番に使用するローテーション処理は、害虫が特定の薬剤に抵抗性を持つことを防ぎ、抵抗性の発達を抑制する効果があります。
2.ニューサンスコントロールとは、感染症を媒介する衛生動物の防除を指す。
→不適当
「ニューサンスコントロール」は、不快動物(クモ、ムカデ、カメムシなど)を駆除する対策のことです。一方、問題文にあるような感染症の媒介(ネズミ、蚊など)を断つための手段として行う防除は、ベクターコントロールのことで、どちらもペストコントロールに含まれます。※ペストとは有害生物のこと
- ペストコントロール :害虫やネズミなど有害な生物全般に対する防除。ニューサンスコントロールとベクターコントロールを含む
- ニューサンスコントロール:不快害虫による被害を軽減するための対策全般
- ベクターコントロール:感染症を媒介する動物(ねずみ、蚊など)を駆除し、感染症の拡大を防ぐ対策
3.吸血昆虫の中には、幼虫、成虫、雌、雄ともに吸血する種類がある。
→正しい
一部の吸血昆虫は、すべての発育段階や性別で吸血行動を示す種類も存在します。例えばトコジラミなどが該当します。
4.昆虫等に対する不快感は、主観的なものである。
→正しい
不快感は個人の感覚や心理的な側面に左右されるため、主観的なものとされます。
5.昆虫成長制御剤(IGR)で処理しても、成虫密度が速やかに低下することはない。
→正しい
IGRは幼虫の発育や変態を阻害するものであり、成虫に直接の致死効果がないため、成虫密度の減少には時間がかかります。
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