ビル管理士 2021年(R3年) 問160  過去問の解説【清掃】

内容に誤りがあった場合は、お手数ですがコメント欄で教えて頂けると助かります。

問題

廃棄物の区分に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥など20種類が産業廃棄物として定められている。
2.木くずのうち、建設業など特定の業種から排出されたものは、産業廃棄物に該当する。
3.事業活動に伴い発生する油分で、グリース阻集器で阻集されるものは、産業廃棄物に該当する。
4.事業系一般廃棄物とは、事業活動に伴い発生する廃棄物のうち、産業廃棄物に該当しないものである。
5.事業活動に伴い発生する廃棄物のうち、ばいじん類は、安定型品目の産業廃棄物に該当する。

⇒偏差値43の高卒でも電験三種やビル管理士に一発合格できた資格の勉強で大事なこと7選

回答と解説動画

正解は(5)

本問は、事業活動に伴って排出される廃棄物を「産業廃棄物」と「一般廃棄物(事業系)」に分類する問題です。

まず、産業廃棄物は以下の20種類があります。

「燃えがら、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック、ゴムくず、金属くず、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、鉱さい、がれき類、ばいじん、紙くず木くず繊維くず、動植物性残さ、動物系固形不要物、動物のふん尿、動物の死体、これら以外で産業廃棄物を処分するために処理したもの」

ただし、「紙くず」「木くず」「繊維くず」の3種類については特定の業種(建設業、製造業など)から排出されたもののみが産業廃棄物として扱われます。

たとえば、オフィスから出るコピー用紙などの紙くずは上記業種に該当しないため、「一般廃棄物(事業系一般廃棄物)」になります。

したがって、上記20種類に該当しない廃棄物(たとえば飲食店から出る生ごみなど)は、原則として一般廃棄物(事業系)に分類されます。

さらに細かい情報が知りたい場合はこちら⇒産業廃棄物の分類について

1.事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥など20種類が産業廃棄物として定められている。
→正しい
産業廃棄物は、廃棄物処理法施行令により「燃え殻」「汚泥」「廃油」「廃酸」「廃アルカリ」「廃プラスチック類」など20種類に分類されており、これに該当する廃棄物は産業廃棄物とされます。

2.木くずのうち、建設業など特定の業種から排出されたものは、産業廃棄物に該当する。
→正しい
木くずは、建設業など特定の業種から排出された場合に限り、産業廃棄物として扱われます。
例えば、飲食店から排出された木くずは産業廃棄物ではなく事業系一般廃棄物に分類されます。

3.事業活動に伴い発生する油分で、グリース阻集器で阻集されるものは、産業廃棄物に該当する。
→正しい
グリース阻集器にたまる油分は、「廃油」に該当しますので、産業廃棄物として処理します。

4.事業系一般廃棄物とは、事業活動に伴い発生する廃棄物のうち、産業廃棄物に該当しないものである。
→正しい
事業系一般廃棄物とは、事業活動に伴って発生する廃棄物のうち、産業廃棄物以外のものを指します。具体的には、オフィスや店舗、飲食店などから出る、家庭ごみと区別される一般廃棄物のことです。

5.事業活動に伴い発生する廃棄物のうち、ばいじん類は、安定型品目の産業廃棄物に該当する。
→不適当
安定型品目とは、「廃プラスチック類」「ゴムくず」「金属くず」「ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず」「がれき類」の5品目に限定されており、性質が安定しているため、施設の管理基準がゆるい安定型最終処分場に埋め立てることができます。
「ばいじん類」は、汚水を発生させる可能性があるため、安定型品目には含まれず、施設の管理基準が厳しい、管理型処分場か遮断型処分場に埋め立てる必要があります。

それぞれの処分場の特徴は以下の通りです。

安定型最終処分場環境への影響が少ない特定の産業廃棄物(安定型廃棄物)を埋め立てるための処分場です。具体的には、廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、がれき類などが対象となります。これらの廃棄物は、有害物質を含まず、埋め立て後に汚染水を発生させる可能性が低いとされています。
管理型最終処分場遮断型と安定型の中間に位置する処分場です。有害物質を含むものの、遮断型ほどではない廃棄物を処分するために設けられます。地下水や公共水域への汚染を防ぐための設備が講じられています。
遮断型最終処分場有害物質を一定量以上含む産業廃棄物を埋め立てるための施設で、他の最終処分場よりも厳重な構造基準が設けられています。具体的には、有害物質が雨水などと接触しないよう、水密性の鉄筋コンクリートで外部と完全に遮断された構造になっています。

安定型⇒管理型⇒遮断型の順で施設の管理基準が厳しくなっていくことと、安定型品目の5つは覚えておきましょう。

ヘタ・レイ

安定型廃棄物の種類を覚えるのは大変ですが、「放置しても腐らない」「水に溶けない」ような無機物のような物質が該当すると覚えておけば、「ばいじん」は該当しないとイメージできませんかね。

解説動画

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次