問題
排水通気配管に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 通気管の末端を、窓・換気口等の付近に設ける場合は、その上端から600mm以上立ち上げて大気に開放する。 | ||
2. | 特殊継手排水システムは、排水横枝管への接続器具数が比較的少ない集合住宅やホテルの客室系統に多く採用されている。 | ||
3. | 間接排水管の管径が30mmの場合の排水口空間は、最小50mmである。 | ||
4. | 結合通気管は、高層建物のブランチ間隔10以上の排水立て管において、最上階から数えてブランチ間隔10以内ごとに設置する。 | ||
5. | ループ通気管は、最上流の器具排水管が排水横枝管に接続される位置のすぐ下流から立ち上げて、通気立て管に接続する。 |
回答と解説動画
正解は(3)
1.通気管の末端を、窓・換気口等の付近に設ける場合は、その上端から600mm以上立ち上げて大気に開放する。
→正しい
排水通気管の末端を大気に開放する際には、通気管を通じて悪臭や有害なガスが室内に入り込むことを防ぐ必要があります。このため、通気管の開口部は、近接する開口部(窓・換気口など)よりも600mm以上高い位置に設けるようにします。
2.特殊継手排水システムは、排水横枝管への接続器具数が比較的少ない集合住宅やホテルの客室系統に多く採用されている。
→正しい
特殊継手排水方式は、排水立管と排水横枝管の合流部に特殊な継手を使用する方式です。
継手内部には旋回羽根がついており、排水を旋回させながら流すことで、管内に空気の通り道を確保します。これにより、排水時の負圧や正圧の発生を抑えつつ、通気管を別に設けることなく排水の許容流量を向上させる効果があります。
通気管のスペースを削減できる反面、通気量は限られてしまいますので、排水横枝管への接続器具数が比較的少ない集合住宅やホテルの客室系統に多く採用されています。(下図の右参照)
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3.間接排水管の管径が30mmの場合の排水口空間は、最小50mmである。
→不適当
排水口空間の基準は排水管径が30mmの場合、最低100mm必要です。
間接排水管の管径(mm) | 排水口空間(mm) |
---|---|
25以下 | 最小50 |
30~50 | 最小100 |
65以上 | 最小150 |
飲料用貯水槽など | 最小150mm |
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4.結合通気管は、高層建物のブランチ間隔10以上の排水立て管において、最上階から数えてブランチ間隔10以内ごとに設置する。
→正しい
結合通気管は、高層建物で排水立て管内の圧力変動を抑えるため、一定間隔ごとに設けます。一般にブランチ間隔10以内ごとの設置が推奨されています。
5.ループ通気管は、最上流の器具排水管が排水横枝管に接続される位置のすぐ下流から立ち上げて、通気立て管に接続する。
→正しい
ループ通気管は、最上流の器具排水管が排水横枝管に接続される位置のすぐ下流側から立ち上げて、通気立て管に接続します。(下図右参照)
なお、「最上流の器具排水管が排水横枝管に接続される位置のすぐ上流側」に設けてしまうと、通気管のほうに汚物が入ってしまった場合に、さらに上流から水が流れてくることがないため、汚物が滞留してしまうためNGです、下流側というところポイントなので覚えておきましょう。
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出典:日本管材センター株式会社
解説動画
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